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Vol.1 No.3 Review-1 |
化学消毒剤によるHIV−1の不活化:次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸を含む消毒剤は、流出した感染性血液および体液の汚染除去に対し使用され、WHOでは、有効塩素濃度 5,000ppm、イギリスでは1,000〜10,000ppm、アメリカにおいては500〜5,000ppmとガイドラインに記載されている。しかし、腐食性の問題や有機物の存在で効力が低下することも認められている。今回、HIVに対する次亜塩素酸ナトリウム(NaOC1)の不活化を検討するため、最小有機物が存在した場合と最悪の状況を想定して、高濃度の血清および血液が存在した場合での消毒剤の不活化を評価した。HIV−type1のRF株は、完成培地に懸濁したMT−4細胞の継代培養から得た。NaOC1は標準軟水で希釈し、HIVを加えた試験培地へ添加し、中和剤として1%チオ硫酸ナトリウム液を用いた。80%完成培地(8%子牛血清添加)にHIVを懸濁した場合、NaOC1を添加していない(無処置)ウイルス価は5.6log TCID50(50%感染価)を示し、有効塩素濃と増加するに伴って不活化が高まった。また、80%血清にHIVを懸濁し、有効塩素濃度100ppm(ストック濃度1,000ppm)を加えた場合では、無処置で6.6 log TCID50であったものが、5.25log TCID50を示した。有効塩素濃度を500ppmとした場合には、4.5log TCID50を示し不活化された。 一方、80%血液に懸濁したHIVに有効塩素濃度1,000ppm(ストック濃度10,000ppm)を加えた場合3.75log TCID50を不活化できなかったが、有効塩素濃度2,500ppmでは、30分で1.5log TCID50となり、不活化された。 このように、有機物が多量に存在するとHIVは不活化されにくくなり、NaOC1で消毒する前に有機物を洗浄除去することが重要であると考える。実際の使用に当っては、高濃度のNaOC1(最小有効塩素濃度10,000ppm)の使用を奨める。(訳:白石正) Carlisle Vol.1 No.3 p8-10 September 1996 | |