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Vol.1 No.4 Review-4 |
ICUにおける多剤耐性 1986年以来、広域スペクトラムβ−ラクタマーゼ産生Enterobacteria(ESBLPE)による院内感染の流行がフランス、および他の国でも報告されている。本研究は、1990年6月から1991年6月の間にICUへ5日以上入室している患者の直腸サンプリングと、臨床材料の培養からESBLPE獲得をスクリーニングし、ESBLPE獲得に対する疫学と危険因子を検討した。研究期間中に474名の患者がICUへ入室し、その中の267名が対象となった。 ESBLPE獲得の危険性はICUへの入室期間に依存し、入室後12日から17日までのESBLPEの獲得率は8%、44日から60日までで30%あった。13ヶ月の間にESBLPE獲得の発生率が多かったのは、1990年8月(19例中9例)と1991年5月(18例中8例)であった。ESBLPE獲得因子では、年齢(>40歳)、性別(男性)、入室期間(>5日)、感染症の有無、HIV陽性者そして、疾患の重症度と関連していた。また、広域スペクトラムβ−ラクタム剤は、104名に投与されており、54名はICU入室時に投与されていた。 ESBLPE感染の62名中60名(97%)は、多剤耐性のKlebsiella pneumoniaeであり、初期の感染部位は、消化管58名、尿道3名および中心静脈カテーテル感染1名で、消化管が最も多かった。消化管保菌から感染までの平均期間は、5日(10〜24日)であった。消化管に保菌し、その後、感染症を発症した15名の患者から分離したESBLPEは、DNA鑑定の結果、同一パターンを呈したものが13名に認められた。13名の患者に感染している菌株は、保菌株のそれと共通しているか、または非常に類似していた。このことは、同一菌株がESBLPE獲得に最有力の原因であることが示唆された。ESBLPE獲得は、ICUへ入室している期間の長さと侵入経路の方法に依存し、保菌は感染に欠くことができない条件の一つであると結論づけられる。 (訳:白石正) Carlisle Vol.1 No.4 p8-10 December 1996 | |