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Vol.1 No.4
Review-6

心臓外科医によるC型肝炎ウイルス:Hepatitis C virus(HCV)感染
Esteban,J.I.et al.
Transmission of hepatitis C virus by a cardiac surgeon.
New Engl.J.Med.,334(9):555−560,1996.


供血者のC型肝炎ウイルスHepatitis C virus(HCV)抗体スクリーニング検査の効果について、1992年から1994年にわたって実施された研究のなかで、明らかに輸血を原因としない心臓外科手術後のHCV感染が2例発見された。当該患者の執刀医は慢性C型肝炎に罹患しており、その外科医師のウイルスが患者に感染したのかどうかについて、検証を試みた。
1988年から1994年に行われた輸血後肝炎研究の対象であった当該外科医師の患者、222例のうち6例が、血清陰性の血液のみを輸血に使用していたにもかかわらず、HCVに感染していた。なお、その6例の患者はすべて、弁置換手術を受けていた。
分析は、外科医師、および外科医師と同じgenotypeのHCVに感染していた患者と対照群10例について、エンベローブ糖蛋白のE2 coding region間のジャンクションにおける、超可変部を含めた核酸塩基配列を比較した。
外科医師、および輸血とは無関係にHCV陽性であった患者のうち5例は、genotype3のHCVに感染していた。6例目の患者についてはgenotype1であり、他の感染源が推察された。外科医師の他のHCV陽性であった患者13例は、輸血関連の感染であり、genotype1であった。
genotype3のHCVに感染していた5例の患者と、その外科医師のHCV遺伝子配列におけるnet genetic dictanceの平均は2.1%(renge、1.1−2.5%;P<0.001)であった。一方、対照群とのそれは7.6%(renge、6.1−8.3%)であった。さらに、phylogenetic−tree analysisの結果によって、外科医師と5例の患者のウイルスについては、疫学的に共通の源が存在したことが示唆された。
慢性C型肝炎に罹患していたある心臓外科医師が、開胸手術中に5例の患者にHCVを感染させた可能性の根拠が示された。(訳:西岡みどり)

 


Carlisle Vol.1 No.4 p8-10 December 1996