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Vol.2 No.1 Review-5 |
集中治療室(ICU)での手袋とガウンの併用と、手袋のみ単独使用におけるバンコマイシン性腸球菌感染防止効果の比較 手袋およびガウンの併用と、手袋のみの単独使用の、バンコマイシン耐性腸球菌による病院感染防止効果を比較するために、疫学的調査とコントロール・非無作為抽出デザインスタディを実施した。 都市近郊の、バンコマイシン耐性腸球菌が流行しているベッド数900の大学付属教育病院のICUに、48時間以上連続して入院している患者181例を対象にした。 ICUの病室のうち8床の患者のケアにはいつも手袋とガウンを着用するようにし、別の8床の患者には手袋のみを使用するようにした。 職員の感染防止対策勧告に対するコンプライアンスを毎週モニターした。また、患者の便培養を毎日行い、ベッド冊や床頭台、あるいは病室や公共スペースで頻回に触れるものなどの環境表面の培養を毎月実施した。 バンコマイシン耐性腸球菌の分子疫学的なタイピングのために、パルスフィールド・ゲル電気泳動法を用いた。 バンコマイシン耐性腸球菌の保菌患者数、検出期間、病院感染患者を含めた在室期間および死亡率を求めた。分析対象は、手袋−ガウン病室の患者93例、手袋病室の患者88例で、患者背景はほぼ同様であった。 手袋−ガウン病室の15例(16.1%)と手袋病室の13例(14.8%)は、ICU入室時すでにバンコマイシン耐性腸球菌を保菌していた。一方、手袋−ガウン病室の24例(25.8%)と手袋病室の21例(23.9%)は、ICU入室後にバンコマイシン耐性腸球菌が検出された。保菌期間の平均日数は手袋−ガウン病室では8.0日、手袋病室は7.1日であった。これらに統計学的有意差はなかった。 ICUでのバンコマイシン耐性球菌感染の危険因子は、ICU入室期間、経管栄養、抗生剤の使用であった。感染対策のコンプライアンスは、手袋−ガウン病室が79%、手袋病室が62%であった(P<0.001)。397件の環境培養のうち、25件(6.3%)のみがバンコマイシン耐性腸球菌陽性であった。研究期間中に分離されたバンコマイシン耐性腸球菌はパルスフィールド・ゲル電気泳動法により、19のタイプに分けられた。 手袋とガウンの一般使用は、手袋のみの使用と比べて、バンコマイシン耐性腸球菌が流行している病院のICUにおけるバンコマイシン耐性腸球菌を防止する上で、優れているわけではなかった。しかし、手袋とガウンの併用が良いコンプライアンスに関連し、その他の病原微生物の伝播防止に役立っていたかもしれないので、この結果を、1菌株によるアウトブレイクやバンコマイシン耐性腸球菌が流行していない病院にあてはめるべきではないかと考える。(訳:西岡みどり) Carlisle Vol.2 No.1 p8-10 April 1997 | |