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Vol.2 No.4 Review-2 |
多剤耐性結核の病院感染アウトブレイク アメリカ合衆国、シカゴの病院で、1994年1月から1995年4月にかけて、多剤耐性結核患者7症例(患者6例、医療従事者1例、全例AIDS症例)のアウトブレイクが発生した。この病院では呼吸防護具のフィッティング試験プログラムはあったものの、抗酸菌隔離室(陰圧、毎時6回以上の換気設備)はまだ導入されていなかった。 そこで、多剤耐性結核感染のリスクファクターを特定するために、後ろ向きのデザインでコホート研究を行った。 研究は当病院で当該期間に結核菌に曝露した可能性のある患者169症例と医療従事者74名を対象とし、分離株の分析、ツベルクリン皮内反応検査、曝露状況および対象属性のアセスメントを行った。また、結核菌分離株全7株についてDNAフィンガープリンティングを照合した。 データの分析にはEpi Info(version6)を使用した。カテゴリカル変数の比較にはカイ二乗検定を行い、95%信頼区間とともに相対危険比を求めた。一方、連続変数の比較にはウイルコクソンの順位和検定を行った。 結果は、結核菌に曝露した患者のうち結核を発症した患者は、発症しなかった患者よりもCD4+ Tリンパ球数が有意に少なく(p=0.02)、歩き回れる患者が多かった(p=0.03)。一方、結核菌に曝露した医療従事者のうち、ツベルクリン皮内反応検査で陽性になった11名(15%)は、陰性であった医療従事者と比べて、ふだんからHEPAフィルター付呼吸防護具をあまり着用しない傾向にあった。 当研究では、空気感染のための隔離室を推奨していない病院で多剤耐性結核感染が発生した経緯と、呼吸防護マスクのフィッティング試験プログラムがそのような環境下では結核の職業感染防止において効を奏しないということが示された。(訳:西岡みどり) Carlisle Vol.2 No.4 p8-10 Winter 1997 | |