Review

Review INDEXCARLISLE INDEXHOME


Vol.2 No.4
Review-5

南オーストラリアにおける内視鏡検査従事看護婦のグルタールアルデヒド曝露と症状
Pisaniello,D.L.,Gun,R.T.,Tkaczuk,M.N.,Nitshcke,M.,Crea,J.
Glutaraldehyde Exposures and Symptoms Among Endoscopy Nurses in South Australia.
Appl.Occup.Environ.Hyg.,12(3):171−177,1997.


XX 内視鏡やその他の医療器具の消毒剤に、アルカリ緩衝化剤配合の1〜2%グルタールアルデヒド(グルタラール)液を使用している医療従事者の間で、皮膚障害、呼吸障害、その他の健康上の問題が起きている。アメリカ政府産業衛生学者協議会(ACGIH)では、環境中のグルタラール濃度の上限を0.2ppmから0.05ppmに下げることを推奨している。
今回、南オーストラリアの26病院の内視鏡検査従事看護婦135人に対し、同じ病院でのグルタラールに曝露していない132人の看護婦を対照群として、健康状態、消毒の実態、職場環境について調査を行った。グルタラール使用看護婦のうち102名(76%)が保護眼鏡を使用していると答えていたが、29名(21%)が眼への飛びはね等の事故を経験していた。また、64%がグルタラール液による皮膚接触事故等を経験していた。グルタラール液使用時の看護婦の吸入量は、環境中の値(平均0.008ppm)に比し、有意に高かった(平均0.032ppm)。手術中のグルタラール濃度は内視鏡室の濃度より有意に低かった。個人の吸入量は、局所的に排気が行われている手術室で平均0.014ppm、内視鏡室で0.022ppm、換気のない部屋では、それぞれ平均0.034ppm、0.093ppmであった。また、自動消毒器を使用している看護婦の曝露は低かった(平均0.024ppm)。前腕までのニトリル製の長い手袋を使用したときの皮膚パッド中のグルタラール濃度は0.3μgで、手首までのラテックス製手袋を使用したときは2.0μgであった。
グルタラールを使用している看護婦では、対照群より、頭痛、嗜眠、皮膚・眼・喉症状の頻度が高かった。しかしながら、皮膚、眼、喉の症状の発現は、空気中のグルタラール濃度に相関しなかった。グルタラールによる障害を減らすためには、換気を良くし、容器にはふたを付け、密封し、保護衣や長い手袋、保護眼鏡等を用い、皮膚接触を防ぐことが推奨される。(訳:豊口禎子)


Carlisle Vol.2 No.4 p8-10 Winter 1997