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Vol.3 No.1 |
抗菌カテーテルの使用による中心静脈カテーテル関連血流感染の予防−無作為、コントロール研究 カフなし中心静脈カテーテルの短期使用に関連する血流感染は一般的で深刻な問題である。このような感染のリスクを低減するためには、技術革新が必要である。 そこで以下のような目的で無作為ケース・コントロール研究を行った。すなわち、1)中心静脈カテーテル関連の感染の予防における新しい抗菌カテーテルの効果、2)このカテーテルの患者への影響、3)カフなし、マルチルーメンの中心静脈カテーテルに起因する血流感染の病原体を特定することを目的とした。 450床の大学病院のICUにおいて、中心静脈カテーテルを留置する予定の患者158名と403本のカテーテルを調べた。対象には、標準的なトリプルルーメンのポリウレタン製カテーテルか、あるいは標準的なカテーテルと外観上区別のつかないchlorhexidine-silver sulfadiazineを浸透させたカテーテルのどちらかを用いた。 カテーテル抜去時のコロナイゼーションとカテーテル関連血流感染について調べ、局所および全身的な効果について検討した。それぞれのカテーテル関連血流感染の病原体については、考えうるすべての部位(皮膚、カテーテルチップ、カテーテル分岐部、輸液製剤)を培養し、分離菌のDNAサブタイピングも行った。 結果は、カテーテル抜去時のコロナイゼーションは、抗菌カテーテルの方がコントロールの標準カテーテルよりも少なく〔13.5対24.1/100本;相対危険比,0.56(95%信頼区間0.36-0.89),p=0.005〕、血流感染の発生も約1/5〔1.0対4.7/100本,1.6対7.6/1000カテーテル日数;相対危険比,0.21(95%信頼区間0.03-0.95),p=0.03〕であった。標準カテーテルを使用した対照群においては、黄色ブドウ球菌、グラム陰性桿菌、腸球菌、カンジダによるカテーテル関連血流感染が8例あったが、抗菌カテーテル群では一例も発生しなかった(p=0.003)。 抗菌カテーテルの副作用は出現せず煤Aまた感染カテーテルから分離された122株のいずれにおいてもchlorhexidine-silver sulfadiazineに対する耐性はみられなかった。 費用対効果分析の結果では、施設のカフなし中心静脈カテーテル関連菌血症の発生率が3/1000カテーテル日数以上ある場合においては、抗菌カテーテルが費用対効果的であるということが示された。 chlorhexidine-silver sulfadiazineカテーテルは患者への悪影響がなく、カテーテル関連感染を低減し、カフなし中心静脈カテーテルの短期留置を適切安全に期間延長し、結果としてコストを節減することがわかった。 (訳:西岡みどり) Carlisle Vol.3 No.1 p8-10 Spring 1998 | |