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Vol.3 No.2
Review-1

メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌臨床分離株のテイコプラニン、バンコマイシンに対する感受性低下
Sieradzki,K.et al.
Decreased Susceptibilities to Teicoplanin and Vancomycin among Coagulase-Negative Methicillin-Resistant Clinical Isolates of Staphylococci.Antimicrob.Agents.Chemother.,42(1):100-107,1998


1995年9月25日〜1996年2月12日の5カ月間に、ニューヨーク市内の1病院から採取されたメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MR-CNS)41株のうち、28株がテイコプラニン軽度抵抗性を示した(MIC4〜8μg/mL)。この28株は24の異なったDNA染色体パターンを示し、これらの菌の感受性低下はクローンの拡散ではなく、個々の細菌の耐性獲得によるものと考えられた。これらの28株では、培養時間延長により、テイコプラニンのMICは4〜8μg/mLから8〜16μg/mLへと増加がみられたが、バンコマイシンではMICは1〜4μg/mLと培養時間延長による増加はみられなかった。
さらにこれら28株のうち6株で、メチシリン、テイコプラニン、バンコマイシンのフェノタイプを調べたところ、メチシリンで5つの違ったタイプを、テイコプラニン、バンコマイシンで6つの異なったタイプを示した。
また、1925年から1964年に検出された6株のCNSのMICを調べたところ、バンコマイシンでは0.4〜1.5μg/mLとほぼ同じであったのに対し、テイコプラニンでは0.2〜6μg/mLと、株により異なっていた。米国ではバンコマイシンは1958年に承認され、テイコプラニンは使用されていない。テイコプラニン抵抗性は1958年以前の株でもみられており、テイコプラニンの異なったフェノタイプはこの菌種に本来備わっていることを示唆している。
また、テイコプラニンのMICの半分の濃度で培養すると、菌の自己融解が劇的に減少し、細胞が凝集し、培養液中のテイコプラニンが検出されなくなった。これらの性質は実験室で作られたバンコマイシンの高度耐性MRSA変異株と類似していた。テイコプラニン耐性MR-CNSヘテロ株の出現は、バンコマイシンのMICを上昇させることが考えられる。

(訳:豊口禎子)


Carlisle Vol.3 No.2 p8-10 Summer 1998