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Vol.3 No.2 |
黄色ブドウ球菌による菌血症患者のアウトカムに関するメチシリン耐性の影響 黄色ブドウ球菌による菌血症に関連した死亡率や合併症率に与えるメチシリン耐性の影響については依然としてよく判っていない。そこで、本研究では黄色ブドウ球菌血症罹患後の患者のアウトカムにおけるメチシリン耐性の効果を検討することを目的とした。 145例のメチシリン感受性黄色ブドウ球菌血流感染(MSSA BSI)患者と39例のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌血流感染(MRSA BSI)患者を調べた。さらに、マッチドペア法にてケース・コントロール研究を行った。 スイスのGeneva大学病院で、1994年1月1日から1995年12月31日までの間に、臨床的に確認された黄色ブドウ球菌血症の全患者を本研究の対象とした。ケース・コントロール研究は、MRSA BSI患者をケース群とし、年齢、性別、併存症の数、基礎疾患の重症度、発症までの在院日数でマッチングさせ、ステップワイズ法を用いて選択されたMSSA BSI患者をコントロール群とした。患者アウトカムの指標には黄色ブドウ球菌血症罹患後の入院死亡率を用いた。 対象患者全例による比較では、MRSA BSI患者(n=39、14 deaths、死亡率36%)における、MSSA BSI患者(n=145、40 deaths、死亡率28%)に対する、年齢および菌血症発症までの在院日数で調整した死亡の相対危険度は、1.1(95%信頼区間、0.5-2.1)であった。 つづくマッチドペア(n=38)による比較では、入院中の死亡率は両群とも34%(オッズ比1.0:95%信頼区間、0.4-2.5)であった。死亡例のうち、MRSA BSIの54%、MSSA BSIの69%において、感染の原因が特定または推定された。 主な交絡要因を調整した入院中の死亡率を患者アウトカムとして用いた場合では、黄色ブドウ球菌血症に罹患した患者におけるメチシリン耐性は、患者アウトカムに対して統計学的に有意な影響を与えていなかった。 (訳:西岡みどり) Carlisle Vol.3 No.2 p8-10 Summer 1998 | |