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Vol.3 No.3 |
ヒト結核菌毒性株の広範囲伝播感染 1994年から1996年にかけて、結核感染の危険性の低い田園地域(テネシー州とケンタッキー州)で大規模な結核感染がみられた。 発生源とみられる患者(21歳男性)は、工場に勤めて1カ月程経った1994年秋に胸部痛と咳が出現し、肺炎と診断され、抗生物質が投与され改善したが、2カ月後咳が再発し、エリスロマイシンが、1995年初めには鎮咳剤が投与された。1995年4月に彼の姪がツベルクリン反応陽性であることが判明し、家族の検診が行われ、彼は結核症と診断された。分離菌は抗結核薬に感受性があった。 1995年5月から1995年11月にかけて、彼の家族や職場の同僚5人の二次感染結核症が確認された。5人のうち2人はクリスマスや復活祭で本患者と2〜4時間接触しただけだった。さらに、1995年5月と6月、本患者と接触した338人にツベルクリン試験を行ったところ、328人中224人が陽性(10o以上の硬結)、6人で7〜9oの硬結がみられた。本患者と接触しなかったと思われる149人では4人が陽性であった。本患者の感染源は、1994年に結核症と診断された患者と推定され、この患者に親密な4人が二次性の結核症で、接触した42人中37人が皮膚試験で陽性であったことが確認された。さらに、1996年1月〜12月に10人の患者が結核症と診断され、うち2人は病院内で短時間の間に感染したと思われた。 患者から検出された13株は同じDNA finger printを示した。また、実験的にマウスに結核菌をエアロゾル法にて接種したところ、毒性のあるErdman株投与群は10日後約1,000個/肺、20日後約10,000個/肺であったのに対し、本患者分離菌は各々約10,000個/肺、1千万個/肺と増殖速度がはるかに速かった。今回の結核の伝播は、診断の遅れにも起因しているが、環境因子や患者の特性というよりは分離株の毒性によるものと考えられた。イソニアジドの予防投薬早期開始等により、感染者数に比較し、結核症発症患者は少なかった。(訳:豊口禎子) Carlisle Vol.3 No.3 p8-10 Autumn 1998 | |