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Vol.3 No.3 |
バンコマイシン耐性腸球菌の広がりにおける“colonization
pressure”の役割 病院内の多剤耐性病原微生物の広がりは、感染対策のコンプライアンスや抗生物質の使用状況に影響されている。そこで、本研究では保菌患者率など“colonization pressure”もまた重要な影響要因であるという仮説を立て、“colonization pressure”の影響、感染対策のコンプライアンス、抗生物質の使用状況、およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)保菌リスク因子を調査した。 同一のICUに入院していた181例を対象に19週間毎日、直腸の保菌状態を検査した。統計学的モデルにはCoxハザード回帰モデルを用い、変数にはVREを保菌するまでのICU在室日数、“colonization pressure”、手洗いや手袋使用などの感染対策のコンプライアンス、APACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)UScore、バンコマイシンや第三世代セファロスポリンなどの投与日数、および経腸管栄養を含めた。 VREを保菌するのをエンドポイントとして分析した結果は、“colonization pressure”がもっともVREの保菌に影響していた(ハザード比(HR),1.032;95%(信頼区間(CI),1.012-1.052;p=0.002)。さらに経腸管栄養もVREの保菌に影響しており(HR,1.009;95%CI,1.000-1.017;p=0.05)、第三世代セファロスポリンの使用にもやや影響の傾向が見られた(HR,1.007;95%CI,0.999-1.015;p=0.1)。経腸管栄養と第三世代セファロスポリンの使用は“colonization pressure”が50%未満であるときには、VREの保菌にかなり影響していたが、“colonization pressure”が50%以上の場合には、他の要因の影響はほとんど見られなかった。 VREの保菌には“colonization pressure”、抗生物質の使用状況、および経腸管栄養が影響していた。しかし“colonization pressure”が高い場合には、それが主要な影響要因となることが示された。(訳:西岡みどり) Carlisle Vol.3 No.3 p8-10 Autumn 1998 | |