Appendix


臨時付録

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Vol.4 Suppl.1 Disinfections and Antiseptics : Pros and Cons 消毒薬の適正使用をめぐって(1999年)
第1回アジア太平洋感染制御学国際会議:サテライトシンポジウム記録集
 1st International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Control (ICAPSIC) : Satellite Symposium 
開催日:1999年8月9〜11日 
開催地:香港 Hong Kong Convention and Exhibition Centre (HKCEC)
監修:小林 寛伊(関東病院)
    西岡みどり(東京大学大学院)

1st International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Control (ICAPSIC) 第1回アジア太平洋感染制御学会国際会議は、1999年8月9日から11日まで Hong Kong Convention and Exhibition Centre で開催された。
 1998年3月8日に香港で行われた15カ国からなる準備委員会(実際は14カ国:Australia、China、Hong Kong、India、Indonesia、Japan、Korea、Macau、Malaysia、Pakistan、Philippines、Singapore、Taiwan、Thailand、Vietnam)で、Asia Pacific Society of Infection Control (APSIC) が正式に設立され、第1回国際学会が1999年に香港で、第2回が2001年にSingaporeで開催されることが決定した。日本での開催も勧められたが、関連各国の経済状態の差を考えるとき、安い公的宿泊施設の少ない日本は、遠慮せざるを得なかった。
 第1回ICAPSICの終了した翌日開催された運営委員会で、IndonesiaとPakistanとが新たに加わることになり、APSIC参加国は計16カ国となった。さらに、第2回のSingapore会議は2003年8月20日―23日に開催されることに変更、第3回をMalaysiaで2007年に開催することに決定した(Malaysia:9票、Beijing:4票)。
 今回の第1回ICAPSICには、日本から57名の参加者があり、香港、中国に次ぐ人数であって、アジアの中での日本が、欧米のみを向かず、仲間意識をもってアジア各国の共通課題に真剣に取り組む姿が、各国から高く評価されたものと確信している。当初は、通訳を通しての日本人のためのセッションを考えたが、アジア地区からの演者を選び、英語で行うサテライトシンポジウムを企画した。欧米から演者を呼んではとの香港からの示唆もあったが、敢えてアジア地区のみで演者を構成したが、結果的には欧米のキーパースンも多数会場に来られ、このシンポジウムの意図を評価してくれたし、討論を盛り上げてくれたことには心より感謝の意を表したい。
 アジア諸国がこの学会を通じて、たとえ国情に差はあっても、同じ土俵の上で感染制御という共通課題を取り囲んで、共に真剣に論じ合うことの重要性を再認識しなければならない。

小林 寛伊 Hiroyoshi Kobayashi
西岡 みどり Midori Nishioka

  • 生体消毒薬と環境消毒薬の薬学的視点 
    Pharmaceutical aspects of disinfectants and antiseptics
    白石 正 Tadashi Shiraishi

生体消毒薬と環境消毒薬の使用に当たり、繁用消毒薬はレベルに分けた適応について考慮して使用する必要がある。
グルタラールのような高水準に属する消毒薬は、広い殺菌スペクトルを有している反面、毒性が強く生体消毒薬として使用することはできない。エタノールなどのアルコール類は、粘膜刺激性が強く、粘膜に使用禁忌となる。
また、次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性が強いことが知られており、第四級アンモニウム塩に属する塩化ベンザルコニウムなどは、金属に対して適応できることにはなっているが、金属の種類により、腐食を生じることがあるため注意が必要である。  

  • 臨床から見た生体消毒薬 
    Clinical application of antiseptics
    大久保 憲 Takashi Okubo

消毒薬の進歩により、近代外科手術は飛躍的に発展した。 手術に消毒薬を初めて使用したのはJoseph Listerであり、1865年にGlasgow Royal Infirmaryにて11歳の男児の複雑骨折の手術に石炭酸を噴霧しながら手術して、消毒が感染防止に不可欠なことを証明した。以来、手術器械や覆布など手術部位に接触するものはすべて滅菌したものが使われ、術野の皮膚消毒と術者の手術時手洗いが必要不可欠なものとなった。 
消毒は、滅菌することの不可能な器材や生体に対する対応であり、すべての微生物を殺菌できるものではなく、抗菌スペクトルに含まれる微生物の数を極力減らすことにある。すなわち清潔要求度と対象物の種類や性状により選択されるべきものである。

  • 消毒の実際(無生物を対象に) 
    Practical aspects of disinfection (for inanimate items)
    Ai Ling Tan

「消毒の実際」というトピックについて話をさせていただく。 ご承知の通り、消毒とは、物理的または化学的な処理により、微生物の栄養型の大半を死滅させることである。これには栄養型細菌とウイルスが含まれるが、芽胞型は必ずしも消毒によって死滅しない。また消毒は、主として生体以外の物品の表面や内部に対して行われる。以上の点で、消毒と滅菌の間には大きな隔たりがある。 
消毒の方法を大きく二つに分けると、加熱による方法と化学的な方法がある。消毒を必要とする物品は多種多用であり、それぞれに材質の特性などが異なるため、どの方法を使うべきかという問題は簡単ではない。

  • 消毒薬の誤った使い方 
    Misuse of disinfectants and antiseptics
    尾家 重治 Shigeharu Oie

消毒薬の誤った使い方が行われている場合が少なくない。すなわち、医療従事者への毒性が無視されていたり、消毒効果が得られていない場合などがある。そこで、日本における消毒薬の誤った使い方の代表例を挙げて、注意を喚起したい。 

  • 消毒と防腐:看護婦の視点 
    Disinfection and antisepsis : a nurse’s perspective
    Jae-Sim Jeong

「消毒と防腐:看護婦の視点」というテーマを論じる。洗浄、防腐、消毒、滅菌は、感染予防のために重要な要素である。看護婦は、これらの役割を実施したり、これらの方法で処理された器具を使用したりする機会が多いので、そのための薬剤やシステムを熟知していなくてはならない。現代の医療用具や機器は非常に複雑であるため、消毒法を選択する責任者は、十分な研修を受ける必要がある。たえず新しい消毒剤・防腐剤が開発され、発売されているため、看護婦にとって臨床現場に最も適した薬剤を選択することは、必ずしも容易ではない。医学は進歩したが、それにもかかわらず、患者の発症率と重症度は増大している。適正な防腐法の選択が、ますます重要になってきている。 ここでは、いくつかの病院に共通する問題を取り上げて、私の経験を紹介したい

  • “消毒薬の適正使用をめぐって”のシンポジウムに対するコメント 
    Comments
    仲川 義人 Yoshito Nakagawa

本シンポジウムおよびわが国の消毒剤使用アンケート調査結果を紹介し、コメントとする。

  • パネルディスカッション

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Carlisle Vol.4 Suppl.1 Appendix Winter 2000