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Vol.4 No.1 |
病院感染病原菌としてのAcinetobacter属 Acinetobacter属は、他の非発酵性グラム陰性菌と同様に、1970年代より病院感染の病原菌として認識されるようになってきた。特に広域抗菌薬の導入により、病院感染の主要な原因菌となりつつある。 Acinetobacter属によるコロナイゼーションや感染は、抗菌薬使用による菌交代が生じた患者の細菌叢や、医療従事者の手指、汚染された器具から起こる。 Acinetobacter属の伝播は、一時的に汚染された医療従事者の手を介して起こる。アウトブレイクの場合には、二次的に汚染された無生物環境表面や、保菌あるいは感染している患者が、病院の臨床現場での交差感染を引き起こすリザーバーとなりうる。しかし、アウトブレイクを起こしやすい株は、特に病棟を越えて容易に伝播していくので、保菌あるいは感染患者を最も重要な感染源と考えることができる。 特にアウトブレイクが長引いていて、適切な手洗いや手袋の交換、あるいは抗菌薬の使用制限などの感染制御の各種方策が効を奏さず、汚染器具などの感染源も特定されないような場合には、アウトブレイクの原因株としては、患者の乾燥した無生物環境表面が疑わしい。 Acinetobacter属は常在菌であるので、アウトブレイクの際には、疫学的な結論を引き出す前に、遺伝子レベルの解析やタイピングを行い、分離したAcinetobacter株を同定することが必要である。 (訳:西岡みどり) Carlisle Vol.4 No.1 p8-10 Spring 1999 | |