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Vol.4 No.2
Review-1

消毒剤の抗菌活性を調べる上での懸濁試験法に影響を及ぼす因子
Langsrud,S.andSundhelm,G.
Factors influencing a suspension test method for antimicrobial activity of disinfectants.
J. Applied Micro.,85:1006-1012,1998.


消毒剤の抗菌活性は様々な方法で試験されており、懸濁試験法は消毒効果を試験する一段階として繁用されている。しかし、これらに影響を与える因子や評価法は、再現性、結果の比較、実験室間で統一されねばならない。懸濁試験法の再現性の欠如は、接種微生物により変動したり、中和剤の影響やコロニー計測法にあると言われている。そこで、本研究は、懸濁試験法での結果を基に増殖培地、振とう程度、酸素の有無といった培養条件、中和効果などについて評価した。
被験菌にはE.coli DSM682、S.aureus ATCC6538を用い、消毒剤は塩化ベンザルコニウム(BC)、グレープフルーツ抽出物含有消毒剤(GSE)、過酢酸含有消毒剤(PA)、および次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤(HC)を用いた。中和剤はレシチン、ツイン80、チオ硫酸ナトリウム、ヒスチジンを含むヨーロッパ協議会推奨薬剤(CE)、CEからチオ硫酸ナトリウムを除いたもの(CE-T)、Dey/Engley中和剤含有液体培地(DE)、レシーン液体培地(LB)の4種を使用した。
消毒剤の殺菌効果は、ヨーロッパ協議会の懸濁試験法により行った。4種の中和溶液に接触することによるE.coliとS.aureusの対数減数は、-0.1と0.1の間にあった。中和剤の中和能はBC:0.4mg/mL、GSE:5mg/mL、HC:5mg/mL、PA:10mg/mLの試験濃度に対しGSEとHCを不活化した。LBはBC:40μg/mLを不活化し、他の3種はBC:0.4mg/mLを不活化した。PAに対する中和能の検討では、各中和剤にPAを加え、被験菌を接種後の抗菌力は、PAの10mg/mL添加時でCE-TとLBが3 log10以上の低下を呈した。
前培養条件としてS.aureusは好気的環境では抵抗性は少ないが、E.coliは逆に高い抵抗性を示した。振とう培養による影響は耐性と無関係であった。BCと被験菌の接触後の残存菌数は、拡散平板法は混釈平板法に比し残存菌数が多く、培養温度による影響では、E.coliが37℃より30℃で増殖が優れていた。塩素剤を被験菌に接種後の残存菌数は、濾過法が中和法および中和・濾過併用法に比し細胞数が有意に低かったが、BC接種後あるいは対象細胞ではこれら3方法で細胞数に有意差はなかった。
以上、消毒剤の懸濁試験法による抗菌試験は、細菌の種類・消毒剤毎の標準化が必要である。

(訳:仲川義人)


Carlisle Vol.4 No.2 p8-10 Summer 1999