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Vol.4 No.2
Review-2

バイオフィルム成分ポロキサマーハイドロゲルを用いた消毒剤の殺菌効果に対する評価
Wirtanen,G.et al.
Performance evaluation of disinfectant formulations using poloxamer-hydrogel biofilm-constructs.
J.Applled Micro.,85:965-971,1998.


ポロキサマーF127は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの二重阻害を呈する複合ポリマーである。その溶液は熱可逆性で、15℃以下で液体となり、15℃以上でゲル化する性質を持つ。バイオフィルムの成分であるこのポロキサマーを9菌種の細菌と接触させ、常用濃度での消毒剤の殺菌効果を比較した。ポロキサマー配合培地に増殖させた細菌をステンレス片上に滴下し、培養してゲル化させたものを寒天平板に移植し、これを殺菌試験に使用した。消毒剤は、3級アミン界面活性製剤(TAAS)、過酸化水素・過酢酸・酢酸製剤(HPPA)、次亜塩素酸ナトリウム/水酸化ナトリウム(HYPO)、乳酸加イソプロパノール(IPA)を使用した。ポロキサマー配合培地に各種細菌を接種し、各消毒剤で30℃、5分間、中和剤にて中和後、30℃、5時間培養し細菌の減少を調べた。
その結果、消毒剤未処理群は各種細菌に対して5.63〜7.52 log cfu/gelの残存菌が認められたが、消毒剤処理群ではIPA(100%):0.49〜1.47 log cfu/gel、HYPO(0.16%):0.22〜1.40 log cfu/gel、HPPA(0.5%):0.17〜2.04 log cfu/gel、TAAS(4.7%):0.06〜1.16 log cfu/gelと、バイオフィルム成分配合培地での殺菌力は0.4-2 logの殺菌効果を呈した。グラム陰性菌はグラム陽性菌に比し抵抗性を示した。特にP. agglomeransが高い抵抗性を示し、IPAでは殺菌効果が認められなかった。P.aeruginosa、B.subtilis、S.epidermidisを用いた再現性試験では、30℃の湿潤環境下、ステンレス片上でポロキサマービーズに接種する方法で3回繰り返し実験した結果、いずれの細菌も細胞密度の面も含み、高い再現性が得られた。また、耐性度合いの検討では、一度培養したものの上へ新たに作成した同じ菌種を含むゲルを接種したところ、いずれの細菌も高度耐性が生じた。さらに、HPPA(0.5-2.4%)およびTAAS(0.7-2.8%)とポロキサマーゲルでの感受性試験を同じ3菌種で行ったところ、いずれも消毒剤の濃度依存的に殺菌効果が増加した。このポロキサマーでの消毒剤の抗菌活性試験は再現性に優れ、簡便で、結果の正当性が高いことが示唆された。

(訳:白石 正)


Carlisle Vol.4 No.2 p8-10 Summer 1999