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Vol.4 No.2 |
黄色ブドウ球菌におけるバンコマイシン耐性の新興 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA:methicillin-resistant Staphylococcus aureus)が新興してきてより、グリコペプチド・バンコマイシンが黄色ブドウ球菌感染に対して一定の効果を有する唯一の治療法となった。 1997年に米国で、バンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌に感染した患者が2例見つかったので報告する。 グリコペプチドに中等度耐性、すなわちバンコマイシンの最小発育阻止濃度(MIC)が8〜16μg/mLである黄色ブドウ球菌感染患者、2例の詳細を調査した。また、これらの黄色ブドウ球菌株の伝播について調べるために、対象患者に接触した職員の手指と鼻腔をサンプリングして分離株を評価した。 最初の症例は、59歳のミシガン在住の男性で、糖尿病と慢性腎不全を合併していた。糖尿病に関連した再発性MRSA腹膜炎の治療のために、バンコマイシンが18週間投与された後、グリコペプチド中等度耐性黄色ブドウ球菌による腹膜炎を発症した。腹膜潅流カテーテルを抜去し、トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤およびリファンピシンによる治療後、感染症は治癒した。2例目は、ニュージャージー在住の66歳の男性で、糖尿病を合併していた。再発性MRSA菌血症の治療に対して、18週間バンコマイシンが投与された後、グリコペプチド中等度耐性黄色ブドウ球菌による血中感染を発症した。この感染症はバンコマイシン、ゲンタマイシン、およびリファンピシンを投与することで治癒した。 2例の症例はどちらも死亡した。これらのグリコぺプチド中等度耐性黄色ブドウ球菌は、パルスフィールド・ゲル電気泳動では2つのバンドにより異なった菌株であることが判明した。また電子顕微鏡写真より、これらの感染患者の分離株は、対照のMRSA分離株と比較して、細胞外基質に厚みのあることが確認された。 2例の患者に接触した177名の職員には菌の伝播は認められなかった。 グリコペプチド中等度耐性黄色ブドウ球菌の新興によって、抗生剤の慎重な使用と、検査室の耐性菌同定能力、および伝播防止のための感染制御予防策が重要であることが強く示された。 (訳:西岡みどり) Carlisle Vol.4 No.2 p8-10 Summer 1999 | |