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Vol.4 No.3 |
オルト-フタールアルデヒド:高水準消毒剤であるグルタールアルデヒドの代替薬剤 グルタールアルデヒド(GTA)は、滅菌消毒剤として従来から使用され、アルカリGTA(2%)は広い抗菌活性と迅速な抗微生物作用を有し、更に金属、ゴムなどの被対象物に対する影響も少ない薬剤である。一方、変異原性や発癌性、呼吸器、眼、皮膚への刺激が問題となっている。また、GTA耐性Mycobacterium chelonaeの発現頻度が高いなど、GTAの代替薬剤の必要性が高まっている。オルト-フタールアルデヒド(OPA)と過酢酸(PAA)がその代替薬剤として考えられる。これまで、0.2%および0.5%OPAの殺菌効果は報告されており、PAAについても広い殺菌スペクトルを有する酸化剤であることが認められている。 本研究は、非抗酸・非芽胞細菌、GTA感受性および耐性MycobacterriaとB. subtilis、そして芽胞に対するOPAの殺菌効果を検討するため、懸濁試験とキャリアー試験を用いた評価をし、懸濁試験にはE. coli、S. aureus、P. aeruginosaの標準株を使用し、キャリアー試験にはMycobacteria5株(M. terrae、M. chelonae/abcessus、M. chelonae、GTA耐性M. chelonae2株)およびB. subtilis(芽胞)を使用した。殺菌剤はOPA、GTA、PAAを使用し、キャリアー試験にはOPAとGTAを使用した。懸濁試験の結果、3種類の殺菌剤は常用濃度で1分間の接触において、各被験菌に対し>5log減少し、0.045%GTA、0.0045 %PAA、0.018%OPAでは5分間の接触で、>5logの減少を認めた。 キャリアー試験においても、0.5%OPAは乾燥したP. aeruginosaとS. aureusと1分間の接触で5logの減少、2〜5分の接触で>6logの減少を認めた。2%GTAはS. aureusに対し1分以内、P. aeruginosaに対して2分以内に>5logの減少を認めた。0.5%OPAは、GTA耐性M. chelonaeを含むMycobacteriaの全てに有効(≧5log、10分以内)であった。2%GTAの殺Mycobacteria効果は0.5%OPAより劣っていた。また、GTA耐性株はOPAと交叉耐性を示さなかった。 一方、殺芽胞効果について、0.5%OPAは270分間の接触では芽胞に対する殺芽胞効果は認められず、2%GTAでは180分で殺芽胞効果を示した(5.93 log)。このOPAの殺芽胞効果は、外被破壊、pH上昇(pH8)により改善された。以上、OPAはGTAの代替殺菌剤となり得るものと考えられた。 (訳:白石 正) Carlisle Vol.4 No.3 p8-10 Autumn 1999 | |