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Vol.5 No.1・2 |
病院内感染に関係したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の地域社会株 ウエスタンオーストラリア州(WA)は州外からのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病院内への定着は防御されていた。しかしながら、最近10年間、州外の病院に入院したことのない遠隔の地域社会の患者からMRSA株の分離が増加している。これらのMRSA株は、イースタンオーストラリア、アジア、ヨーロッパのMRSA株のように多剤耐性ではなく、遺伝学的にも異なっており、WA MRSA株と呼ばれた。1995年から1996年にかけて、WAの首都パースの病院で大規模なWA MRSA株による病院感染がおきた。その発生源となった患者はパースから600km東に位置した地方病院から転院してきた患者であった。MRSAがその地方病院特有であるという証拠はなく、その患者の出身地の地域社会Xと地域社会Yにおいて、MRSAの検査を行い、分離株を病院感染株と比較した。 地域社会X(地方病院から10km)の住人43人と地域社会Y(地方病院から200km)の住人74人の鼻腔、咽頭、指、皮膚を検査したところ、MRSA保菌者は地域社会Xで42%、地域社会Yで24%と高率であった。分離株を抗菌剤への耐性パターン、プラスミド分析,contour-clamped homogeneous electric field electrophoresis、バクテリオファージ パターン,coagulase gene restriction fragment length polymorphismにより分類したところ、地域社会Xでは39%が、地域社会Yでは17%が病院感染を起こした株と区別がつかなかった。また、このMRSA株がWAの病院特有のものではなく、WA MRSA株はこれまでオーストラリアで調査されたどのMRSA株とも全く異なっていることより、地域社会起源のものであることが示唆された。 (訳:豊口禎子) Carlisle Vol.5 No.1・2 p8-10 Spring/Summer 2000 | |