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Vol.6 No.2 |
HCV慢性患者から麻酔助手へHCV感染、さらに5人の患者への感染 HCVの感染経路として医療スタッフから患者への伝播はまれであるが、外科医の事例が多い。市中病院において1998年7月1日から10月13日の間に4人の患者がHCVと診断された。そこで患者への伝播の原因について調査した。今回対象となった6人の患者のうち患者1の感染は1980年の弁置換術時の汚染血液か濃縮凝固因子製剤が原因と考えられた。他の4人の患者も整形あるいは一般外科で、発生の6〜18週前に手術を受けていた。 医療従事者の中で唯一HCV抗体の存在が明らかになった麻酔助手は、患者1が手術を受けた約8週間前は血清HCV抗体陰性で、その手術の6週間後に急性C型肝炎を発症した。彼は触覚の鈍化や、仕事の障害になるという理由で手袋の着用を通常していなかった。1998年4月の中旬に右手の指の内側に傷を受け、3、4日は絆創膏を使用したが、院内感染の危険性を予見せず、傷が治らない状態で手術助手を務めた。1998年4月28日(患者1の手術の日)から1998年6月9日(患者6の手術の日)までの間、6人を含む39の手術に参加した。その後、彼は急性C型肝炎で欠勤し、1998年7月、再び手術に参加したが、HCV感染の発生はその後なかった。 患者6人と助手の全てが血清HCV抗体とHCV RNA陽性で、患者1と助手の血清HCV RNA値は高値を示した(1×106コピー/mL以上)。いずれもgenotypingによりHCV type−1a感染と認識され、HCV抗体超可変領域1の塩基配列も高率のホモロジーが示された。このように分子学的、ウイルス学的検討で、6人全ての患者とその助手は同じHCVの分離物により感染したことが示唆された。 すなわち、患者1から助手へHCVが感染し、続いて彼の病気の無症候の進行期間に少なくとも5人の患者にHCVを伝播した可能性がある。HCV伝播の最初の原因が如何であるとしても、いわゆる感染制御の普遍的予防策の遵守を行っていれば、おそらくこのような血液感染の病原体の拡大は予防できた可能性が高い。 (訳:仲川義人) Carlisle Vol.6 No.2 p7-9 Summer 2001 | |