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Vol.6 No.2 |
ICUにおけるコンピュータ・キーボードと水栓ハンドルは病原菌の媒介となる 現代の臨床医学において院内感染は、高い罹患率と死亡率の主要な原因となっている。米国では毎年200万人以上の患者に院内感染で4.5億ドルを超えるコストが費やされている。院内病原菌の媒介として病院環境の関わりについての解釈は、欧州と米国で見解を異にしている。そこで、院内病原菌の伝播にコンピュータのキーボードと水栓ハンドルの関与について検証を試みた。 2ヵ月間に適宣8回のサンプリングを行い、10台のコンピュータ・キーボード(病室:8台、ナースステーション:1台、医局:1台)と内科ICUの水栓ハンドル8つの両サイドを対象に表面を拭き取り法で調査した。患者の臨床分離菌は、院内コンピュータ情報システムで調べた。環境と患者のMRSAの同定には、パルスフィールド電気泳動ゲル(PFGE)法によるDNAタイピングを行い評価した。 合計144個のサンプル(キーボード:80、水栓ハンドル:64)が集められ、33株がそれらの表面から分離されたが、キーボードと水栓ハンドルの汚染割合は、設置場所の違いによる有意差は認められなかった。患者からの14株、環境表面からの33株は、いずれもMRSAの割合(6/14、16/33)が高かった。患者のいる部屋といない部屋などでのキーボードの汚染比率は、水栓ハンドルに比べ高いものの、有意差は認められなかった。しかし、患者分離菌とこれら表面分離菌は類似しており、多くの微生物がICUのいたるところに付着していることが認められた。 環境および患者から分離されたMRSAのPFGEは4つの型が認められたが、いずれの株も類似したDNAパターンを示した。MRSA感染および保菌患者のいる病室のキーボードや水栓ハンドルのMRSA汚染率は36%(4/11)で、2人の発症患者からのMRSAが、環境分離株のそれと同様の株であることが明らかとなった。ICUでは、これら環境表面が媒介となって院内微生物の交差伝播を呈するとした仮説の根拠となるものと考える。キーボードにプラスチックカバーを付け、手動水栓ハンドルの廃止などの改善に努めた。 (訳:白石 正) Carlisle Vol.6 No.2 p7-9 Summer 2001 | |