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Vol.6 No.4 |
ヨーロッパ株のメチシリン耐性・感受性黄色ブドウ球菌497株における消毒剤耐性遺伝子qacA、qacB、qacCの分布 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、院内感染の主要な病原微生物の一つとなっている。消毒剤は院内感染防止対策に広く用いられるが、消毒剤耐性遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌(S. aureus)が臨床材料から分離されてきている。消毒剤耐性遺伝子にはqacA、qacB、qacCの三つのタイプがある。 qacAは、ベンザルコニウムなどの一価、クロルヘキシジンなどの二価の有機カチオン化合物を耐性化する。これはpSK1ファミリーを含む多くのプラスミドや染色体に組み込まれている。qacBは主に一価の有機カチオンと一部二価の化合物に耐性を呈する。これはpSK23などの重金属耐性プラスミドなどに存在する。qacAとqacBはしばしば共存する。qacCはqacD、ebr、smr遺伝子と一致するが、第四級アンモニウム塩系に耐性を呈する。通常、S. aureusのプラスミド(接合性、非接合性)に存在する。 今回、1997〜1999年にヨーロッパ14ヵ国の24大学病院で分離されたS. aureus 497株を用い研究を行った。S. aureusの210株(42%)にqacA /B遺伝子が認められた[MRSA 397株中186株(63%)]。アクリフラビン、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、塩化ベンザルコニウムなどの消毒剤の関与が考えられる。MRSAで耐性遺伝子の検出率が著明に高かったことは、qacA/B遺伝子がpSK1(qacA)やβ-ラクタマーゼ/重金属耐性(qacA、qacB)ファミリーのような世界中に広がった多剤耐性プラスミドに分布していることを意味する。また、このプラスミドは多くの他の抗菌薬に耐性を惹起する。qacC遺伝子は497株中29株(5.8%)に認められた[MRSA 297株中19株(6.4%)]。qacA/BとqacC遺伝子がMSSA1株とMRSA4株の5株(1%)に共通して認められた。これらの消毒剤耐性遺伝子を有するS. aureusが24施設全てで認められたことはヨーロッパ全土での広がりが懸念される。 (訳:仲川義人) Carlisle Vol.6 No.4 p8-10 Winter 2002 | |