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Vol.7 No.1
Review-2

院内antibiogramの抗菌剤耐性獲得率は院内感染を起こす病原菌の罹患率を反映する
Scott, K. F., Jonathan, R. E., Fred C. T., et al.
Antimicrobial resistance prevalence rates in hospital antibiograms reflect prevalence rates among pathogens associated with hospital-acquired infections.
CID, 33(1 August): 324-329, 2001.


 米国における院内感染起因菌の抗菌剤に対する耐性(獲得)率のサーベイランスを拡大するため、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、Emory大学のRollins School of Public Healthと協同で、1996年プロジェクトICARE(Intensive Care Antimicrobial Resistance Epidemiology)を開始した。全国院内感染サーベイランス(National Nosocomial Infections Surveillance : NNIS)システムに参加する病院に協力を依頼した。1996年から2000年4月までに61病院より171のICUを対象として、NNISにlaboratory-based surveillance(LBS)レポートとinfection-based surveillance(IBS)レポートとが提出された。
 IBSレポートは、ICUで発生するすべての院内感染に関する月間報告と米国の臨床検査標準化委員会(NCCLS)の基準に準拠した院内感染起因菌の抗菌剤に対する薬剤感受性(感性S、中間I、耐性R)を報告した。これらのデータから院内感染を起こす病原菌の累積感受性(hospital infection-based cumulative anti-biogram)を得ることができた。
 LBSレポートは、これら同じICU内の院内または市中感染など問わずすべての感染患者の臨床標本(血液、尿、痰など)から得た分離菌の抗菌剤に対する薬剤感受性データを報告した。これらのデータより臨床微生物検査室に提出された標本から得た分離菌の累積感受性(laboratory-based cumulative antibiogram)を得ることができた。
 院内のルーチンのantibiogram(特定の抗菌剤に対する分離菌の耐性を報告するサマリー)は院内感染起因菌の耐性(獲得)率を反映するか確認するため、ICU対象のふたつの異なる感染サーベイランスLBSとIBSのデータを、夫々のICU内で2群間比較した。その結果、メチシリン耐性ブドウ球菌を除き、検査した全ての耐性菌の耐性獲得率は2群間で有意な差は認められなかった(p<0.05)。
 一般的に、院内antibiogramは院内感染起因菌の感受性パターンを反映するが、院内感染MRSAの相対的発生頻度は低く出る可能性があることが示唆された。

(訳:中田英子)


Carlisle Vol.7 No.1 p11-12 Spring 2002