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クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)の原因である蛋白性の病原体をプリオンと名づけたのはプルシナー(1982年)であり、1985年にはプリオン蛋白の遺伝子が同定されている。CJDはヒトにおける伝播性海綿状脳症(transmission spongiform encephalopathy: TSE)の中で最も流行している疾患として分類されている。このプリオン蛋白がヒトからヒトへ感染することは、脳硬膜移植によりCJDの発症をみたことからも明らかである。
さらにまた、牛海面状脳症としての狂牛病(bovine spongiform encephalopathy、BSE;mad cow disease)が英国で初めて確認されたのは1986年であり、それはプリオン病であることは周知であるが、そのBSE由来のプリオン病が牛の組織を食用とすることでヒトにも感染することが明らかとなり(1996年)、新しい変異型CJD(variation CJD:vCJD)として英国を中心にすでに2000年12月現在91名(英国87名、フランス3名、アイルランド共和国1名)に及ぶ患者が発生している。vCJDのプリオンとBSEの原因プリオンは同一であることが分子疫学的に証明されている。そのため、英国では1996年には牛の肉や骨を原料とした飼料の製造を禁止したが、日本では残念なことに飼料による感染と思われるBSEが3頭見つかっている。
vCJDの特徴は発症年齢が若いこと、失調症が顕著に表れ、神経症状が比較的早期に始まり、脳波の周期性の放電が欠如することなど、従来からのCJDとは明らかに区別できることが特徴である。
確実な消毒法がプリオンにはないため、脳外科手術での器械の再生処理には特別な注意が必要となる。今回紹介する文献には、CJDの疫学、vCJDの疫学、組織の感染性、医原性CJD、対策法、消毒および滅菌などについて解説されている。
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Carlisle Vol.7 No.1 p6-7 Spring 2002
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