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Vol.7 No.2 |
緑膿菌による胸骨手術部位感染の爆発的流行は手術室看護師の爪真菌症が原因 正中胸骨切開術の術後にみられる手術部位感染(SSI)は、死亡率および疾病率を増加する主な原因である。SSIは正中胸骨切開術後患者の0.5〜12%に発生する。胸骨SSIの多くは、患者自身の皮膚細菌叢のグラム陽性菌が原因であり、緑膿菌による場合はまれである。 ミシガン州Veteran Affairs Medical Centerで1999年2月19日から10月31日までの間に正中胸骨切開術を行った185人の患者のうち、16人(8.6%)に緑膿菌による感染が発生した。内56%の患者が感染治療のため再入院し、50%がさらに手術を必要とした。感染制御のため1999年10月27日に手術室を閉鎖した。原因調査のため、手術室の環境からの標本および12名の主な手術室スタッフの手と爪からの標本の培養を実施した。看護師Aの手から2回とも緑膿菌が分離されたが、他の手術室スタッフからは緑膿菌は分離されなかった。患者、看護師、手術室から分離された全ての緑膿菌をパルスフィールドゲル電気泳動でDNAバンドパターンを調べた。 その結果、患者から得た13の分離菌はすべて同じ菌株であった。心肺バイパス機械のHeater-coolerコンポーネントから分離された緑膿菌と患者用冷却ブランケットから分離された緑膿菌とは同一の菌株であったが、患者からの分離菌の菌株とは異なった。看護師Aの手からの分離菌は患者から得た分離菌と同一の菌株であった。この看護師Aは今回感染を起こした全ての患者と接触しており、Aの右親指には重症の爪剥離症と爪真菌症があった。看護師Aの爪の下部および同看護師自宅の液体石けん、ベビーオイル、シャワー室で使用していたへちまスポンジなどの培養からも同一の菌株の緑膿菌が出た。 緑膿菌による胸骨SSIの爆発的流行は、ラテックス手術グローブの適正使用にもかかわらず、看護師Aの親指の汚染が感染原因であることが判った。 (訳:中田栄子) Carlisle Vol.7 No.2 p8-10 Summer 2002 | |