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Vol.7 No.3
Review-1

衛生と感染の因果関係を示す根拠は何か
Aiello, A. E., Larson, E. L.

What is the evidence for a causal link between hygiene and infections ? 
Lancet Infectious Dis., 2(2):103-110, 2002.


 過去数世紀にわたり、清潔な生活環境や実践、飲料水、汚水設備など、個人と共同体レベルでの衛生は糞便・口や直接の接触による感染症の罹患率や死亡率の減少に主要な役割を果たしてきた。しかし、個人の清潔さや、公衆衛生基盤へのアクセスが整っている先進国でさえ、易感染患者が集まるハイリスク施設では感染症が問題となっている。
 一方、発展途上国では、特に公衆衛生基盤と医療が不適切か、入手できない地域ではさらに感染症の罹患率や死亡率が高い。WHOの「The Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000」に発展途上国で最も健康に寄付する衛生行為として、1)石鹸による手洗い、2)糞便の安全処理、3)安全な水の確保を挙げた。しかし、手洗いなど、特別な衛生行為の単独あるいはコンビネーションがどの程度危険度を減少させたかはいまだ明確ではない。
 そこで、衛生手法の介入による感染症への影響、ならびに疫学調査の意義を調べた。その結果、過去20.5年間に介入研究30、観察研究は24あった。介入方法は衛生教育関連23/30、手洗い実践6/30で、殆どの研究は下痢、胃腸病の調査であった(24/30、80%)。観察研究は、発展途上国が23論文で、家族、家庭、共同体での実践調査で、手洗い法、感染の知識、個人と環境の清潔、に関しており、不適切な衛生実践が感染と強く関連していた。
 これまでにもFeachem(1983),Esreyらによるレビューがある。特にEsreyらの2回目のレビュー(1991)で水の供給と消毒の改善といった衛生介入が下痢の罹患率を33%減少すると報告したが、非公衆衛生基盤の評価と限界については議論されていない。
 今回調べた研究の方法論の評価、衛生介入を焦点とした研究の重要性と限界については介入ならびに観察研究の一致した見解により、インフラの履行以外の衛生介入が感染症予防にとって重要なことがわかったが、特別な衛生介入が疾病の減少に貢献するかといった問題は、その方法効果を独立させることが本質的に不可能であり結論は出せなかった。疾病の相対危険度の評価強度は大きく、一般にほとんどの衛生介入で20%以上であった。

(訳:仲川義人)


Carlisle Vol.6 No.4 p8-10 Autumn 2002