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Vol.8 No.1
Review-6

アルコール配合溶液による手指ラビング対殺菌消毒剤配合石けんによる標準的な手指洗浄の効果:無作為の治験
Girou, E., Loyeau, S., Legrand, P., et al.
Efficacy of handrubbing with alcohol based solution versus standard handwashing with antiseptic soap:randomised clinical trial.
British Medical Journal, 325:1-5, 2002.


日常の患者ケアの間で汚染した手指の菌数を減少させるためのアルコール配合溶液での手指ラビング(摩擦)と殺菌消毒剤配合石けんによる手指洗浄効果を比較するために、2〜3時間の日常の看護期間において無作為での比較検討を実施した。なお、本研究は2000年6月から7月にかけて、フランス大学付属病院の3つの集中治療室(2ヵ所は外科、1ヵ所は内科。940ベッドの終末ケア施設)において、23人の保健医療従事者(常勤および非常勤の看護師、看護師のアシスタントならびに看護学生から選んだ)で実施した。
使用したアルコール配合溶液は45%イソプロパノール、30%n-プロパノールおよび0.2%硫酸メセトリウムを配合した溶液で、1回当たり3〜5mLを使用し、擦式消毒した。また、殺菌消毒剤配合石けんは4%グルコン酸クロルヘキシジンを含有するスクラブ剤であるヒビスクラブを使用した。
患者のケア前後における手指の衛生状態をアルコール配合溶液での手指ラビング(n=12)または殺菌消毒剤配合石けんでの手指洗浄(n=11)の間で比較検討した。手指洗浄の前後において指先および手のひらを菌検出用培地に押しつけ、検出される菌数を計測した。そして、処理前後における菌数の減少度合いより汚染状況を考察した。
手指ラビングによる平均汚染除去率は殺菌消毒剤配合石けんによる手指洗浄に比べ有意に高かった(除去率が83%対58%、危険率1.2%で有意)。また、26%の減少率が中央値差であった(95%信頼区間は8%対44%)。手指の衛生状態の平均持続時間は各群とも30秒であった。
日常の患者ケアの間におけるアルコール配合溶液による手指ラビングは殺菌消毒剤配合石けんによる手指洗浄に比べて手指の汚染をより効率的に減少させることを認めた。手指の消毒に要する時間が不適切(不十分)な点が原因の一つと考えられる。

(訳:坂上吉一)


Carlisle Vol.8 No.1 p8-11 Spring 2003