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Vol.12 No.3 |
人工呼吸器に関連する肺炎の防御のための局所クロルヘキシジン:メタアナリシス 人工呼吸器に関連する肺炎(VAP)はICUで最も頻度が高い感染症であり、48時間以上人工呼吸器に接続された患者の10〜20%がVAPを発症するとの報告もなされている。VAPの最も重要な機序は、中咽頭の微生物が遠位気管支に吸引され、感染することによる。健常人では、口腔内分泌物からは好気性グラム陰性菌はめったに検出されないが、ICU患者のような重篤な患者では、好気性グラム陰性菌や黄色ブドウ球菌が優性となる。そこで、口腔内病原性微生物を減らすことがVAPの予防に有効と考えられるが、口腔粘膜への消毒剤やクロルヘキシジンの局所投与がVAPの発生率に影響するかどうかについては相反する報告がある。そこで、VAP予防のためのクロルヘキシジン局所投与の有効性を評価するために、ランダム化比較試験のメタアナリシスを行った。 2006年4月15日までのPubMed等のデータベースより、VAP制御におけるクロルヘキシジン局所投与とプラセボまたは標準的口腔内ケアのランダム化比較試験を検索したところ、7試験が適合した。7試験の1,650人の患者のうち812人はクロルヘキシジン局所投与を受け、512人はプラセボ投与、35人は標準的口腔内ケア、291人はフェノール性洗口液を使用した。クロルヘキシジン群は、0.12%クロルヘキシジンリンス液を30秒間1日2回使用(2試験)、0.2%ゲル剤1日3回歯と歯肉表面に使用(2試験)、0.2%口腔内リンス(1試験)、2.0%クロルヘキシジンを6時間毎に頬面窩洞に使用(1試験)、0.12%クロルヘキシジンスプレーまたは塗布(1試験)であった。 クロルヘキシジン局所投与群はコントロール群に比較して、VAPの発生率が低下していた(固定効果モデル;相対危険度0.74、95% CI 0.56-0.96、p=0.02、ランダム効果モデル:相対危険度0.70、95% CI 0.47-1.04、p=0.07、I2試験で中等度の異質性)。クロルヘキシジンの有効性は、心臓外科患者で最も顕著であった。死亡率に対する有益性は認められなかった。 (訳:豊口禎子) Carlisle Vol.12 No.3 p8-10 Autumn 2007 | |