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臨時付録

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Vol.9 Suppl.9 21世紀初頭における病院感染制御と予防のための戦略(Strategies for hospital infection control and prevention in early 2000s)
第2回アジア太平洋感染制御学国際会議:サテライトシンポジウム記録集
2nd International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Control : Satellite Symposium 
開催日:2004年3月14〜17日 
開催地:シンガポール Raffles City Convention Centre
監修:小林 寛伊(NTT東日本関東病院)

 本日は,第2回アジア太平洋感染制御学会国際会議 2nd International Congress of the Asia Pacific Society Infection Control(APSIC)のサテライトシンポジウム「21世紀初頭における病院感染制御と予防のための戦略(Strategies for hospital infection control and prevention in early 2000s)」にご参加いただきまして有難うございます。
 最初の演者は,東北大学大学院医学研究科分子診断学教授であり,東北大学病院臨床検査医学部長も務めておられます,賀来満夫先生です。日本の病院感染管理共同研究について発表していただきます。
 2番目の演者は,シンガポール国立大学の感染管理専任看護師を務めておられます, Helen Goh先生です。シンガポールの感染管理看護師の活動について発表していただきます。
 3番目の演者は山形大学医学部附属病院薬剤部長で医学部教授の仲川義人先生です。先生は,感染管理での病院薬剤師の役割を拡張することについて述べられています。
 4番目の演者は,韓国ウルサン大学医学部とウルサン医療センターの臨床病理部助教授を務めておられます,Mi-Na Kim先生です。Kim先生は,今年の1月までハーバード大学医学部内科感染症部門の客員教授も務めておられました。本日は,韓国の集中治療室における病院感染:感染率,病因,抗菌薬耐性に関する全国調査について発表していただきます。
 最後の演者は,NTT東日本関東病院副院長・外科部長で緩和ケア科部長を務めておられ, 日本における手術部位感染サーベイランスを実施されました小西敏郎先生です。
アジア地域の医療サービスは急速に進歩しております。その中でお互いの国々の情報を交換し合い,さらなる前進を目指すことがこの学会の任務であります。そのような意味におきまして,このシンポジウムは大きな役割を果たすと確信しています。会場の皆様方からの活発なご討論をも期待して,実りの多いシンポジウムにしたいと思いますので,どうぞよろしくお願い致します。

小林 寛伊 Hiroyoshi Kobayashi

  • 宮城県における感染管理ネットワーク
    Collaboration of infection control among hospital in Japan
    賀来満夫 Mitsuo Kaku
    (東北大学大学院医学系研究科病態制御学講座分子診断学)

本日は,宮城県における病院感染管理共同研究として行った試みをご紹介します。Table1は,日本の感染管理システムにおける進歩を示しています。2000年には,厚生労働省により特別委員会が組織されました。同委員会の議長は本日座長を務めておられる小林先生ですが,同委員会において全国規模と地域での感染管理ネットワーク設立の重要性が提起されています。Fig.1は,日本における地域感染管理ネットワークと計画中のネットワークを地域別に示したものです。

  • シンガポールにおける感染管理看護師の活動
    Infection control nurses' activities in Singapore
    Helen Goh
    (National University Hospital,Singapore)

シンガポールでは,クオリティケアを確実なものとするために感染管理活動に工夫を加え,さまざまな病院の条件に適合した病院感染予防を目指しています。クオリティケアを実践するためには,全ての医療従事者がチームワークを取り,患者に最善かつ最も安全な結果がもたらされるようにしなくてはなりません。感染管理のために病院感染に関するサーベイランスを続けていますが,これにはデータの収集,病院感染サーベイランスとその解析,またその結果を施設内の担当部署と省庁へ報告する作業も含まれています。 

  • 拡大する感染管理における病院薬剤師の役割
    Expanding role of hospital pharmacists for infection control
    仲川義人 Yoshito Nakagawa
    (山形大学医学部附属病院薬剤部)
山形大学医学部附属病院(600床)の薬剤部には20名の薬剤師と6名の助手が勤務し,2名の薬剤師が感染管理を分担しています。感染対策は感染管理プログラムを執行することが最も重要です。プログラムの目的は,サーベイランス,特有の感染症管理,アウトブレイクの調査と管理,教育,従業員の健康,効果的な治療管理プログラムとしての抗菌薬の適正使用など,いくつかの分野に分類されます。感染管理薬剤師は,これら分野のそれぞれについて,その病院に適した実践的な改善計画を練ることが必要です。サーベイランスのデータから,感染管理薬剤師は問題点を抽出し,特徴や流行率の決定などを分掌します。得られたデータを利用して優先順位を設定し,対策を展開し,介入した結果を検証するなど,絶え間ない改善に努めることが必要です。

  • 韓国の集中治療室における病院感染サーベイランス
    National nosocomial infections surveillance in Korean ICUs
    Mi-Na Kim
    (University of Ulsan, College of Medicine and Asan Medical Center,Korea)

本日は,韓国のICUにおける全国的な病院感染蔓延率について経験したことをお話しします。現在,米国でのNNIS(National Nosocomial Infection Surveillance)が世界におけるNNISの原型となっており,韓国を含めてさまざまな国の大半がこれに追随しています。

  • 日本における手術部位感染サーベイランス
    Surgical site infection(SSI)surveillance in Japan
    小西敏郎,針原泰,小林寛伊 Toshiro Konishi,Yasushi Harihara,Hiroyoshi Kobayashi
    (NTT東日本関東病院)

SSI発生により入院期間と費用が増加
NTT東日本関東病院は今世紀初頭に建て替えられた新しい病院で,ベッド数は606床で,電子カルテシステムによって院内のどこにいても,すべての患者に関する全データを情報収集することができます。外科医にとって手術部位感染(SSI)はきわめて重要です。術後の患者に生じる感染は,2つの群に大別されます。1つは,気道感染,尿路感染,胆道感染などの遠隔感染です。もう1つは手術部位感染で,手術した部位に発生する創傷感染や腹腔内感染(腹腔内膿瘍)はきわめて重大なものです。
SSIは,病院感染として発生率が決して高いわけではなく,病院感染のうち約15%です。しかし,いったん術後の患者にSSIが発生すると,入院期間は倍に延長します。このため,SSIをきたすと入院期間の延長に伴う費用の増加が著しくなります。そこで疾患の管理に当たり,外科では患者のSSI発生率を低下させることが非常に重要となります。

  • パネルディスカッション

※この記事に関しては抜粋のみ掲載しております。全文をご覧になりたい方はこちらよりご請求ください。

Carlisle Vol.9 Suppl.9 2004