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ごあいさつ
小林寛伊(東京医療保健大学 学長)
- アメリカ合衆国における病院感染制御の現状
黒船来航の時代は終わったのか
森兼啓太(国立感染症研究所感染症情報センター 主任研究官)
黒船来航から150年先進国となった日本の感染症の現状
約150年前の1853年7月8日、浦賀沖にペリー提督が黒船4隻でやってきました。当時、とても大きな衝撃があったことは言うまでもありません。Matthew Calbraith Perryは、64歳で病死するまで、輝かしい経歴をたどったエリートです。蒸気船の建造に熱意を燃やし、晩年59歳で来日しましたが、日本を開国させるという強い信念を持ち続け、その思いを最後になし遂げました。そのときの様子を詠んだ狂歌はあまりにも有名です。「泰平の 眠りをさます 上喜撰 たった四はいで 夜も眠れず」。「上喜撰」というのは船の蒸気船と宇治の上質のお茶を掛けています。それが四はいという非常に上手な狂歌だと思います。
以後150年経ち、日本も先進国の仲間入りをして、一人当たりのGNP(国民総生産)はアメリカと並んで世界一です。しかし、デジタル生活指数は台湾、韓国、アメリカなどの後塵を拝していたり、日本国債の格付は先進国中最低であったり、いろいろな問題があります。生命科学や医学の分野では、平均寿命は82歳と世界でトップですが、欧州各国も80歳くらいで、大差はありません。自殺率は先進国中トップクラスですし、1〜4歳の病気・事故を含めた死亡率は、主要先進国に比べて約30%高いです。長寿世界一とはいえ、決して誉められた状況ではありません。
結核罹患率をみると、約26%と日本は結核中進国といえます。主要な欧米の国は日本の3分の1あるいはそれ以下です。
B型肝炎についても、罹患率は2〜8%の間で日本は中進国という状況です。これは原因がはっきりしていて、ワクチン接種が一般に行われていないからです。
麻疹に関しては、発生数は最近だいぶ減少してきましたが、フランスを除く欧米諸国と2桁くらい違います。その背景にあるのは、ワクチン接種の制度と接種率の低さではないかと思います。
ワクチンのない疾患、C型肝炎では罹患率が2.5〜10%の間で先進国とはいえない状況ですし、HIV/エイズ患者は累積1万人を超えて、非常に厳しい状況にあります。
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Carlisle Vol.11 Suppl.12 Appendix 2006
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