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書誌 |
手術部位感染防止のためのガイドライン改定案 1998年 CDC: "Draft Guideline for the Prevention of Surgical Site Infection, 1998" Federal Register Vol. 63, No.116, June 17, 1998 http://www.cdc.gov/ncidod/hip/draft_gu/draft_guideline_SSI.htm (小林寛伊 :「 ”手術部位感染防止ガイドライン草案,1998:公告” ”U.手術部位感染症(SSIs)防止に関する勧告”について」 日本手術医学会誌19巻3号(395〜398)1998年8月号 | |
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注釈 |
本ガイドライン案は1985年に制定された同ガイドライン(第2版)の改定案で、米国の官報において公開されたものです。1985年版と同様の科学的な姿勢が貫かれていますが、この13年間における新しい知見を精査した上で全面的に改定されており、かなり具体的な事柄にも踏み込んで記述しています。 項目としては1985年版とほぼ同様、入浴脱毛などの術前処置・手術野消毒・術前手洗い・抗菌薬予防的投与・手袋手術衣などの保護具・手術室空調・環境整備・器具滅菌・術式・術後創ケア・サーベーランスなどについて勧告しています。 大きな改訂点のひとつとしては、術後創感染(SSI: Surgical Site Infection)のサーベーランスの重要性をさらに強調するようになったことが挙げられます。より具体的には、そのサーベーランスをCDCが主催する「全国院内感染サーベーランスシステム」(NNIS: National Nosocominal Infections Surveylance) systemの定義に厳密に従って行うべきであるとしたこと、また米国における外来患者手術増加に伴い外来患者におけるSSIサーベーランスの重要性が増したと指摘したことなどが注目されます。 本ガイドライン中から、主に消毒に関連する部分を以下ご紹介します。 なお、勧告のレベルは、これまでと同様、 IA: すべての病院に強く勧告。優れた研究により支持されている。 IB: すべての病院に強く勧告。科学的証拠は決定的ではないが。 II: 多くの病院での実施を示唆。すべての病院に対してではないが。 勧告なし、未決事項: 証拠不十分または合意なし。 と分類されていますが、例えば職業安全衛生管理における連邦規則などにおいて行政的に既に強制されている事項については、上記分類にかかわらず、その旨が明記されるようになりました。 1)術前準備 −患者− A.術前全身洗浄 生体消毒薬を用いた全身洗浄を、手術の前夜と当日朝に行う(IB) (訳注) 消毒薬としてはクロルヘキシジンの減菌率が、ポビドンヨード、トリクロサンに比べて高いと記述しています。 B.手術野の脱毛 手術の妨害とならない限り脱毛は行わない(IA)、行う場合には手術直前に電気クリッパーを用いる(IA) C.手術野の洗浄 手術野が汚れいている場合には、消毒の前に洗浄を行う(IB) D.手術野の消毒 手術野の消毒においては、アルコール(通常70−92%)、クロルヘキシジン(4%、2%、または0.5%アルコール溶液)、ヨード・ヨードホール(通常1%のヨウ素を含む10%水溶液、または7.5%製剤)を用いる。(IB) (訳注) アルコールは速効性なども含め優れているが引火性には注意が必要であること、クロルヘキシジンとヨードホールの比較では、減菌率、血液などによる失活、持続的静菌力などの面で、クロルヘキシジンの方が優れていることが記述されていますが、どれを使うべきだとは述べられていません。 2)術前準備 −術者− 手術前の手洗いは、適切な消毒薬で、3ないし5分間行う(IB) (訳注) 3ないし5分間の手洗いでも、10分間の手洗いと同等の効果があるとする研究を参照しています。消毒薬としては、アルコール、クロルヘキシジン、ヨード・ヨードホール、PCMX、トリクロサンを挙げています。欧州に比べ米国においてアルコールの使用頻度が低いこと、7.5%ヨードホールや4%クロルヘキシジンに比べ、0.5%クロルヘキシジンアルコールの方が残存効果が高いことなどが述べられていますが、消毒薬の選択によりSSI発生率がどのように変化するか評価した臨床的研究は未だ無いとしています。 3)環境整備 手術室が目に見えて汚染された場合には術間に、および一日一回最後の手術の後に、環境計画局(EPA)の承認した病院消毒薬で室内を消毒する(IB) 目に見える汚れのない場合の術間毎の室内消毒については、勧告無し、未決事項。 汚染的な手術後も特別な清掃や消毒は行うべきでない(IA) 粘着マットは設置するべきでない(IA) 疫学的調査以外の目的で、日常的な細菌検査は行うべきでない(IB) (訳注) これらのことは、1985年ガイドラインと比較して、基本的な考え方が改訂されたわけではありませんが、手術室内の消毒とその間隔についてこれまでよりも具体的な勧告が明記されました。また、目に見えて汚染された場合術間に室内消毒をするのは、職業安全衛生面からの規則に従うためでもあると述べています。 4)手術器具滅菌 手術器具はすべて既に出版されたガイドラインに従って滅菌されなければならない(IB) 瞬間滅菌(flash sterilization)は緊急時にのみ用いるべきである(IB) (訳注) 瞬間滅菌とは蒸気による短時間殺菌のことです。 5)術後創のケア 術後創ドレッシングの交換などを行う前と後において、消毒薬を用いて手を洗わなければならない。(IA) (訳注) CDCは消毒薬を用いて手を洗う場合と普通の石けんで洗う場合を常に区別していますが、ここでは消毒薬の使用を明記しました。 その他、消毒関連以外の項目にも参考となることが多く記述されていますので、原文や出版された邦訳解説全文をご参照下さい。 | |
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