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II 滅菌法・消毒法概説
3.消毒の分類

1)効力による分類−高水準、中水準、低水準消毒>1, 17〜22)

消毒はその効力の水準によって分類することができる。Spauldingによる分類に準拠して、表4のような分類が世界的に使用されている1, 18)

表4 Spauldingによる消毒水準分類
滅菌
(sterilization)
いかなる形態の微生物生命をも完全に排除または死滅させる。*
高水準消毒
(high-level disinfection)
芽胞が多数存在する場合を除き、すべての微生物を死滅させる。
中水準消毒
(intermediate-level disinfection)
結核菌、栄養型細菌、ほとんどのウイルス、ほとんどの真菌を殺滅するが、必ずしも芽胞を殺滅しない。
低水準消毒
(low-level disinfection)
ほとんどの栄養型細菌、ある種のウイルス、ある種の真菌を殺滅する。
*現実には完全な排除または死滅を保証することはできず、無菌性保証レベルを設定して運用する。詳しくはII. 1. 滅菌・消毒とはを参照。なお、ここでプリオンは対象外であり通常の滅菌条件では不活性化されない。


高水準消毒を達成できる消毒薬としてはグルタラール、フタラール、過酢酸がある。グルタラールと過酢酸は芽胞に対する殺滅力があり化学的滅菌剤(chemical sterilants)と呼ばれることもある 。ただしグルタラールが多数の芽胞を殺滅するには比較的長時間(3〜10時間)が必要であり、通常の使用においては高水準消毒を達成するに過ぎない。なお、フタラールにもある程度の芽胞殺滅力があるが、その効果は比較的弱く、化学的滅菌剤に分類されることはない。

中水準消毒を達成できる消毒薬、すなわち結核菌にも有効な消毒薬として、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、消毒用エタノール、クレゾール石けんなどがある。これらのウイルス、真菌、芽胞に対する抗微生物スペクトルはそれぞれ異なるので注意が必要である。

低水準消毒を達成する消毒薬として、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジンなどがある。ウイルスや真菌の中には感受性のあるものも存在するが、細菌でもグラム陰性菌の一部が強い抵抗性を示す場合があるので注意が必要である。(IV-2-2)グラム陰性菌を参照)

消毒の目的により消毒法や消毒薬を選択する際には、上記の分類を明確に意識して選択することが肝要である。


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