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抗微生物スペクトル早見表適用部位早見表消毒薬使用濃度一覧

>>> III章参考文献


III 消毒対象物による消毒薬の選択
2.器具および環境

1)器具

(1)クリティカル器具26, 32, 51)

クリティカル器具とは、芽胞を含め、いかなる微生物で汚染された場合にも高い感染の危険性が生じるものであり、組織や血管、または血液が通過するものが含まれる。具体的には手術器具、循環器または尿路カテーテル、移植埋め込み器具、針などがある。クリティカル器具には無菌性が求められるため、滅菌済みのディスポーザブル製品を使用できない場合には、高圧蒸気法などにより滅菌を行った上で再利用する。しかし関節鏡、腹腔鏡などは、滅菌ではなく2〜3.5%グルタラ−ル製剤などによる高水準消毒を行うこともある。 高水準消毒であることによって関節鏡などによる感染リスクが高まるという証拠は特にない26)

これらの器具を滅菌するときには、まず念入りな前洗浄を行う必要がある。日本では病棟などで一次処理し感染性を低めてから中央材料室へ搬入する方式が伝統的であるが、この方式では一次処理作業において医療従事者が血中ウイルスに曝露する危険性がある。そのため、最近は病棟での一次処理は行わず、そのまま専用コンテナなどに入れて中央材料室へ運び込む方式が基本とされ普及しつつある。しかし病棟で一次処理をせず時間が経過した場合、器具に付着している血液・体液などが乾燥・固着することが多いため、中央材料室では、超音波洗浄を組み込んだウォッシャーディスインフェクターを使用するのがよい。これは熱水噴射により固着した汚れを含めて洗浄が可能であり、また熱水の微生物殺滅力により問題となるような病原性微生物の感染性を消失させることができるので、その後の滅菌作業における感染の危険性をほとんどなくすことができる。このような専用の洗浄装置が利用できない場合には、手作業によりブラシと中性洗剤または酵素洗浄剤などを用いて血液などの汚れを機械的に除去しなければならない。

前洗浄の後、耐熱性の器具であれば高圧蒸気滅菌を行う。非耐熱性の器具の場合には酸化エチレンガス滅菌や過酸化水素ガスプラズマ滅菌を行う。 また滅菌に準ずる方法として2〜3.5%グルタラール製剤による処理を行う場合には芽胞による汚染を考慮に入れ3時間以上浸漬し、滅菌精製水を用いて消毒薬を洗い流す。

なお、クリティカル器具などに使用して滅菌を行える消毒薬を化学滅菌剤(chemical sterilants)と呼び、2%以上のグルタラール製剤への20〜25℃10時間浸漬、0.2%過酢酸への50〜56℃12分浸漬、7.5%安定化過酸化水素への20℃6時間浸漬などを挙げることができる(米国FDA基準) 57)。しかしながら、化学滅菌剤は適切な前洗浄が行われたとき、かつ接触時間、温度、pHが適切であるときのみ信頼できるものであり、使用法に注意が必要である26)。また必ずしもSAL=10−6といった無菌性保証水準を達成するものではない。なお、医療用器具消毒薬としての安定化過酸化水素はまだ日本で市販されていない。


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