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IV 対象微生物による消毒薬の選択
2.一般細菌
1)グラム陽性菌
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(2)その他のグラム陽性菌
[1]レンサ球菌(Genus Streptococcus)
Lancefield抗原(群抗原)や溶血性によりA群レンサ球菌(化膿レンサ球菌)、B群レンサ球菌などに分類されるが、病院感染上問題となる代表的なものは肺炎球菌である。(A群
・B群レンサ球菌についてはIV-8-5)-(6)細菌を参照)
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は、ヒトの鼻腔、咽頭などに常在するが、時に肺炎、中耳炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎などを起因する。近年はペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae: PRSP)が拡散している83)。日本では1980年代後半からPRSPが拡散し始め、1990年代半ばには肺炎球菌の40%程度に及んだといわれている84)。PRSPの耐性機構はモザイク遺伝子の関与した複数のペニシリン結合蛋白(PBPs)における薬剤親和性の低下といわれている。
◆病院感染対策および消毒
肺炎球菌に対しては、呼吸器系分泌物への標準予防策が基本であり、場合により飛沫予防策や接触予防策を考慮する。レンサ球菌の消毒薬に対する抵抗力は弱いので低水準消毒薬を使用した通常の消毒方法でよい。
[2]腸球菌(Genus Enterococcus)
腸球菌はヒトおよび動物の腸内常在菌であり、Enterococcus faecalis、Enterococcus faeciumなどがある。病原性の低い菌であるが、易感染患者において問題となり、病院感染も発生している。腸球菌は尿路感染の主な起因菌のひとつであるが、このほか血流感染、手術部位感染、心内膜炎、敗血症などを起こす。
腸球菌は多くの抗菌薬に対して耐性を示す場合があり、バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococci: VRE)も出現している85)。VREには多剤耐性菌が多く、欧米で大きな問題となっているが、日本における分離頻度はまだ比較的低い57)。VREはバンコマイシンの標的部位であるペプチドグリカンの末端アミノ酸を変化させる遺伝子(vanA、B)を保有し、特にvanAをもつVREはバンコマイシンやテイコプラニンに高度耐性を示す86)。
◆病院感染対策および消毒
感染経路は内因性感染の場合もあるが、医療従事者の手指、医療器材等による接触感染の場合も多く、標準予防策および接触予防策を行う。腸球菌は比較的乾燥に対して強く、乾燥環境表面で1週間生存する87)。
VREの消毒薬に対する感受性はバンコマイシン感受性腸球菌と差がなく、低水準消毒薬が有効であり、黄色ブドウ球菌と同様の方法でよい88)。ただし黄色ブドウ球菌と同様、グルコン酸クロルヘキシジンは他の消毒薬より効果を得るのに時間を要するという報告があり14,
89, 90)、またポビドンヨードも繁用されている10%水溶液では数分を要するとの報告がある76,
90, 91)。80℃10分間の熱水消毒も有効である92)。
これら以外のグラム陽性菌についてはIV-4 抗酸菌、IV-6 芽胞、IV-8
感染症予防法の類別における微生物を参照。
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