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IV 対象微生物による消毒薬の選択

IV 章 参考文献

3.真菌 128、129)

真菌は下等な真核生物で核膜を有するが、光合成能が無く、多糖体性の細胞壁を有する。真菌は真性菌糸を形成しない酵母と真性菌糸を形成する糸状菌に分けられる。酵母にはCandida spp.やCryptoccocus spp.などがあり、糸状菌にはAspergillus spp.、Trichophyton spp.、Rhizopus spp.などがある。また真菌症は、カンジダ症、クリプトコックス症、アスペルギルス症、ムーコル症などの深在性真菌症と白癬症などの表在性真菌症に分類される。

真菌は易感染患者において日和見感染を起こすことがあり、病院感染対策上も問題となる。


1)酵母

1 カンジダ(Genus Candida130)

酵母のなかで病院感染において特に問題となるのはカンジダである。カンジダはヒトの口腔、腸管、腟および皮膚に常在しており、口内炎(鵞口瘡)、腟カンジダ症、皮膚カンジダ症などを引き起こすが、病院においては血管カテーテル、抗菌薬療法などに関連してカンジタ血症、尿路感染、腸管カンジダ症、肺カンジダ症、全身性カンジタ症をもたらすことも多い。カンジダ症の原因として最も分離頻度の高いのがCandida albicansであるが、Candida glabrataCandida tropicalisCandida parapsilosisなども検出される。主に内因性感染と言われているが、汚染された輸液、医療従事者の手指を介した病院感染も報告されている。


Cryptococcus neoformans 131〜134)

Cryptococcus neoformansは自然界に広く分布し、鳥類の糞、特にハトの糞や土壌から検出されるが、肺、中枢神経、全身性の感染症であるクリプトコックス症を起因する。特にAIDS患者など免疫不全患者が乾燥して空中を浮遊しているハトの糞を含む塵埃を吸入することで感染する場合が、病院感染としても問題となっている。このような場合、病室の空調のほか、病院周辺のハトの糞を排除することが課題となる。通常ヒトからヒトへの感染はない。

〈病院感染対策および消毒〉
酵母菌による感染症例には標準予防策を基本とする。酵母の消毒薬に対する感受性は一般細菌と同様で、低水準消毒薬でも十分効果が得られる。ベンザルコニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、両性界面活性剤、アルコール、ポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、グルタラールなど多くの消毒薬が有効である。


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