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抗微生物スペクトル早見表適用部位早見表消毒薬使用濃度一覧

>>> IV章参考文献


IV 対象微生物による消毒薬の選択
8.感染症法の類別における微生物

(2006.12.13追記)
*2006年12月8日、改正感染症法が公布されました。詳しくはこちらを参照ください。


5)四類・五類感染症

(7)芽胞

[1]炭疽(四類)

◆病原体
炭疽菌(Bacillus anthracis)−グラム陽性桿菌
◆病院感染対策
標準予防策、場合により接触予防策を追加
◆消毒法
芽胞を対象とする方法

炭疽菌の芽胞は土壌中に存在し、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマなどの草食動物に感染し、動物からヒトに感染する場合がある。獣医師、牧畜業者、毛皮取扱者に感染例が多い。2001年米国においてバイオテロリズムに利用され注目を浴びた。創傷への芽胞の接種、吸入、汚染された食品の摂取により芽胞が侵入し、発芽して増殖する。芽胞の侵入門戸により、皮膚炭疽、肺炭疽、腸炭疽があり、肺炭疽は致命率が高い。ヒトからヒトへの感染は無く、感染症例には標準予防策を基本とし、皮膚炭疽の場合には接触予防策を考慮する。ただし、芽胞が意図的に加工され散布・送付されたような場合には吸入により感染する危険がある200)


[2]破傷風(五類、全数把握)

◆病原体
破傷風菌(Clostridium tetani)−嫌気性グラム陽性桿菌
◆病院感染対策
標準予防策
◆消毒法
芽胞を対象とする方法

破傷風は硬直性の痙攣を伴い死因となる。破傷風菌の芽胞は広く土壌中など自然界に存在し、深い外傷が汚染された場合など嫌気的条件において感染が成立し、毒素を産生する。ヒトからヒトへの感染はなく、感染症例に対しては標準予防策を行う。


[3]ボツリヌス症(四類)

◆病原体
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)−嫌気性グラム陽性桿菌
◆病院感染対策
標準予防策、場合により接触予防策を追加
◆消毒法
芽胞を対象とする方法

ボツリヌス菌は土壌中に存在し、野菜、魚、肉類を汚染する。増殖すると運動・自律神経に麻痺をもたらす毒素を産生し、筋肉の弛緩性麻痺を起こす。食中毒としてのボツリヌス中毒、乳児ボツリヌス症、創傷性ボツリヌス症がある。食中毒は、缶詰、ビン詰、ハム、ソーセージなどの食品中で増殖した場合であるが、日本では発酵すしを原因食とすることもある。乳児ボツリヌス症では、主に蜂蜜に含まれるボツリヌス菌が腸内で増殖して中毒を起こすため、乳児には蜂蜜を摂取させないのが望ましい。創傷性ボツリヌスは薬物注射常用者にも見られる。ボツリヌス毒素のバイオテロリズムへの利用も懸念されている200)。感染症例には標準予防策を行う。
 

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