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抗微生物スペクトル早見表適用部位早見表消毒薬使用濃度一覧

>>> V章参考文献


V 各種消毒薬の特性
1.低水準消毒薬


3)両性界面活性剤

(1)塩酸アルキルジアミノエチルグリシン 1, 2, 7, 8, 24)

[1] 特徴

1分子中に陰イオンと陽イオンを含むため、陰イオンの洗浄作用と陽イオンの殺菌作用を備えている。逆性石けんと比較すると、殺菌作用の速効性は劣るが、幅広いpH領域で殺菌効果がある。低水準消毒薬に分類されるが、グラム陽性菌、グラム陰性菌、真菌の一部に有効であるのみならず、高濃度(0.2〜0.5%)で結核菌などの抗酸菌にも殺菌効果を示す。このように比較的広い抗菌スペクトルを持ち、また臭いもほとんどないため、環境消毒などにおいて繁用されている。生体に対して低毒性であるが、脱脂作用があるのでもっぱら環境、物品、器具の消毒に用いられる。有機物の存在による効力低下の影響について、血清蛋白存在下では塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジンに比べて影響を受けにくいが、酵母存在下では比較的大きな影響を受けることが報告されている17、22)


[2] 抗微生物スペクトル

グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌、真菌の一部、エンベロープを有するウイルスの一部に有効であるが、多くのウイルス、芽胞には無効である。グラム陰性桿菌であるセラチア、Achromobacter xylosoxidans などが抵抗性を示す場合がある。


[3] 作用機序

両性界面活性剤中の陽イオンが殺菌作用を示し、その作用は逆性石けんと同様と思われる。(V-1-1) 第四級アンモニウム塩を参照)


[4] 適用範囲
(承認に基づく効能・効果。推奨されるものについては下線。)

0.2〜0.5%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液手術室、病室、家具、器具、物品、医療用具について結核領域における使用
0.05〜0.2%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液手術室・病室・家具・器具・物品(0.2%)、医療用具(0.1%30分間浸漬)、手指、皮膚
0.1%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液手術部位(手術野)の皮膚(0.1%溶液で約5分洗浄後0.2%溶液を塗布)
0.01〜0.05%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液手術部位(手術野)の粘膜、皮膚・粘膜の創傷部位
0.2〜0.5%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液
(最終濃度として)
排泄物(5分間以上放置後に流す)(承認されていないが場合により使用1)


[5] 主な副作用

発疹、そう痒などの過敏症状があらわれることがあるのでこのような場合には使用を中止する。


[6] その他の注意
  • 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落としてから使用する。
  • 次の医薬品等が混入すると沈殿を生じるので注意する。
    ヨードチンキ、マーキュロクロム、硝酸銀、プロテイン銀、フェノール、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、タンニン酸、スルホサリチル酸、スルホサリチル酸ナトリウム、重クロム酸カリウム。
  • 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合は、腐食を防止するため0.1〜0.5%の割合で亜硝酸ナトリウムを溶解する。


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