Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染起因菌 > その他の真菌 > 院内カンジダ症:出現菌種、保菌、伝播様式
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.1 No.4 December 1996

院内カンジダ症:出現菌種、保菌、伝播様式

Pfaller,M.A
Nosocomial Candidiasis:Emerging species,Reservoirs,and Modes of Transmission.
Clin.Infect.Dis.,22(Suppl 2):S89-94,1996.

1980年代より、院内カンジダ症の発生頻度が劇的に増加している。この傾向は1990年代も続いており、カンジダは院内感染の大きな原因となっている。Candida albicansは真菌血症と血行性伝播カンジダ症の最も高頻度の原因菌であるが、C.tropicalis、C.glabrataC.parapsilosisC.kruseiC.lusitaniaeといった菌による感染も数多く報告されている。これらの感染の多くは内因性原因により発症しており、その発生頻度は各施設における治療法、抗生物質、補助療法等の違いにより影響される。C.albicans以外の菌の出現原因の1つとして、これらの菌が抗真菌剤に対して感受性が低いことが考えられる。好中球減少症でない患者から分離されたカンジダ菌各種のフルコナゾールに対するMIC50は、C.albicans 0.25μg/ml、C.tropicalis 1.0μg/ml、C.parapsilosis 1.0μg/ml、C.glabrata 16μg/n1l、C.krusei 32μg/mlと報告されているが、このことがC.albicans以外の菌の出現の原因であると証明するには十分なデータとはいえない。また、他の菌と異なり、C.parapsilosisはブドウ糖含有液中で増殖する性質を有しており、外因性要因による感染が起き易い。カンジダのコロニー形成の臨床的重要性は議論の余地があるところであるが、粘膜のコロニー形成がカンジダ血症の独立した危険因子であるとの報告がなされている。内因性カンジダ症を防ぐ手段として、広域スペクトラムの抗菌剤の使用を減らすことを含め、粘膜でのコロニー形成を減少することが重要と考える。抗真菌剤の使用は粘膜のコロニー形成の予防手段として考えられるが、耐性化や感受性の低い菌もあるので、この治療法には限界がある。また、健康な看護人の手指、汚染された注射剤や臨床材料、環境を介しての外因性に感染が獲得されることもある。われわれの調査では、看護婦の33~75%の手指からカンジダが検出され、最も多く検出されたのはC.parapsilosisであった。院内カンジダ症を疫学的に検討することは、合理的予防法の解明を助長するに違いない。(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.1 No.4 p8-10 December 1996

関連サイト