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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.2 No.3 Autumn 1997

輸血に関連したG型肝炎ウイルス感染の発生率と肝疾患の関連性

Harvey,J.A.et al.
The Incidence of Transfusion-Associated Hepatitis G Virus Infection and Its Relation to Liver Disease.
N.Engl.J.Med.,336:747-754,1997.

輸血によるG型肝炎ウイルス(HGV)感染の割合と肝疾患の関連性について、1972~1995年の間で輸血を受けた357名、輸血を受けたことのない157名、無作為に抽出した健常者500名、HGVに感染した患者から輸血を受けた230名からの血清を用い、HGV RNA検査、ポリメラーゼ鎖反応検査を行った。

輸血により感染したと思われる非A、非B型肝炎患者の81名中79名の患者では、HGV RNA検査を輸血直後の血清を用いて調べた。この79名中63名(80%)は、急性HCVに感染し、このうちの6名(10%)はHGVにも感染していた。他に3名は輸血前にはHCVに感染していた。非A、非B型肝炎患者のうちHGVだけの感染患者は4%にすぎず、非A、非B、非C型肝炎患者では23%に存在した。HGVだけの感染患者は、黄疸が見られず、HCVに感染した患者に比べ肝炎は緩和であった。アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ATL)とHGV RNAレベルの間に相関性は認められなかった。HCVとHGVの両型感染は、HCVのみの感染に比し、重篤者で差は認められなかった。輸血を受けた357名で急性HGV感染の頻度は、非A、非B、非C肝炎患者の13名中3名(23%)であったが、C型肝炎患者63名中6名(10%)、ALTが多少高い患者100名中12名(12%)、輸血後のALT正常な患者181名中14名(8%)となり、群間でHGV感染の割合に有意差は認められなかった。対照とした輸血を受けなかった157名の血清中1名のみがHGV RNA陽性であった。

これらのことから、HGVは輸血によって伝播されることが明らかとなったが、肝炎を発生する可能性はほとんどなく、また、HCV肝炎の経過に悪影響を及ぼさないことから、HGVと肝炎の因果関係はないと考える。(訳:白石正)

Carlisle Vol.2 No.3 p8-10 Autumn 1997

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