Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > その他の 関連文献 > サーベーランス > 薬剤耐性肺結核症追補調査、ニューヨーク、1994年4月
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.2 No.3 Autumn 1997

薬剤耐性肺結核症追補調査、ニューヨーク、1994年4月

Fujiwara,P.I.et al.
A Continuing Survey of Drug-Resistant Tuberculosis,New York City,April 1994.
Arch.Intern.Med.,157:531-536,1997.

1985年、アメリカ合衆国の肺結核の発症率が増え始め、1992年には26,673人とピークに達した。HIVの流行、移民、ホームレス、貧困、公衆衛生組織力の低下、医療授受への制限、院内感染の発生などが肺結核症の増加に関係がある。1991年4月の調査で薬剤耐性が著明に増加していたことを受け、ニューヨーク市では肺結核症の管理予防法の改善策がとられた。直接観察療法(DOT)を受けた患者数は、1992年以降確実に増加した。抗結核療法の全過程を受けた患者は、1993年の終わりには約90%にまで増加した。

ニューヨーク市の保健衛生課は医療従事者、病院関係者および公衆に対し、情報の公開に努めた。今回、ニューヨーク市で肺結核菌の培養を行った378人の患者を対象に組織的な調査を行い、1991年4月に行った調査と比較検討した。378人の患者の分離菌がCDCに送られ、332例が調査対象となった。30~44歳の患者158人のうち、58人にHIV感染が認められた。患者の23.8%は一種以上の薬剤に耐性を示し、18.4%はイソニアジドにだけ耐性を示し、13%はイソニアジド、リファンピシンに耐性を示した。

1991年(患者数:466人)と比較すると、一種以上の薬剤に耐性を示した患者およびイソニアジドだけの耐性者はそれぞれ29%減少、イソニアジド、リファンピシンに耐性の患者は32%減少していた。イソニアジド、リファンピシンに耐性を示した患者数は89人から43人へと50%以上も減少したことになる。しかしながら、ピラジナミド、硫酸カナマイシン耐性者は増加していた。

1991年に比べ、1994年は薬剤耐性の肺結核菌は、著しく減少したことが判明した。結核管理プログラムの強化対策が薬剤耐性の割合を29%減少し、多剤耐性の結核菌を有する患者数を52%減少した結果になったと考える。(訳:仲川義人)

Carlisle Vol.2 No.3 p8-10 Autumn 1997

関連サイト