Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染起因菌 > バンコマイシン 耐性菌 > 成人および小児病院におけるバンコマイシン耐性腸球菌の疫学と管理
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.3 No.1 Spring 1998

成人および小児病院におけるバンコマイシン耐性腸球菌の疫学と管理

Tucci,V.et al.
Epidemiology and control of vancomycin-resistant enterococci in an adult and children’s hospital.
AJIC,25(5):371-376,1997.

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の発生頻度は、かなりの数の医療センターにおいて一定の率を示すようになってきている。効果的な感染管理プログラムを開始するためには、医療施設の種類による疫学的な特性を理解しておく必要がある。

本研究では、成人病院および小児病院の両方における、1995年4月から12月までのVRE感染症例138例を調べた。また、患者のリスク因子を分析するためにデータベースを作成し、ルチーンの細菌培養検査用に提出されたすべての検体について、VREスクリーニング検査を行った。

対象138例のうち成人の急性期ケア病院が123例(89%)、小児病院が15例(11%)であった。そのうち80例(58%)がVREのコロナイゼーションであり、58例(42%)がVRE感染であった。全VRE症例のうち83%が病院感染であった。ほとんどの症例が医療サービスを通じての感染であった。

培養検体のうち、尿は感染においてもコロナイゼーションにおいても検出率が高く、もっとも重要な臨床検体であった。

全病院感染例のリスク因子については、バンコマイシン以外の抗生物質の予防的投与がもっとも重要であり、ついでバンコマイシン術前予防的投与であった。市中感染におけるもっとも重要なリスク因子は、他院からの転院であった。

病院におけるVREの管理はいくつかの理由で困難であるが、約半数のVRE陽性患者は特別なスクリーニング検査が実施されなければわからないままである。病院においても市中においても、抗生物質の使用を管理することが、このような病原菌への対策の基本である。耐性菌の蔓延を防ぐためには全職員を対象とした継続的な教育が鍵となる。

(訳:西岡みどり)

Carlisle Vol.3 No.1 p8-10 Spring 1998

関連サイト