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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.3 Autumn 1999

新生児経静脈栄養法における中心静脈カテーテル関連感染のsemi-quantitativeおよびquantitative培養法、typingを用いた疫学的研究

Mueller-Premru,M. et al.
Use of semi-quantitative and quantitative culture methods and typing for studying the epidemiology of central venous catheter-related infections in neonates on parenteral nutrition.
J. Med. Microbiol., 48:451-460,1990.

中心静脈栄養法は新生児集中治療部(NICU)における現代医療には必須要素となっているが、経静脈栄養法は20~30%の新生児に感染を引き起こすとの報告がある。感染を検出するために、従来は中心静脈カテーテル先端の外側の菌を検出するsemi-quantitative法が用いられたが、カテーテル内面の菌の検出も重要であり、本試験では内面の検出を行うquantitative法も行った。

1992~1995年に、NICUで経静脈栄養法を受け、敗血症の徴候が認められた49人の新生児を2群に分け、A群(18人)は汚染した活栓を使用し、B群(31人)は無菌活栓を使用した。各患者の活栓、カテーテル穿刺部周辺の皮膚スワブ、カテーテルの先端と皮膚挿入部、経静脈栄養液、血液を採取し、検査を行った。中心静脈カテーテル先端では25人(51%)の患者で感染がみられ、A群15人(83%)、B群10人(32%)と両群に有意差が認められた。この25人のうちコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)感染が13人(52%)にみられた(A群9人、B群4人)。この13人の検体より65株のCNSが分離され、14のbiotype、22のantibiogram、22のplasmid profile、26のpulsedfield gel electrophoresis typeに分けられた。A群9人の患者のうち6人でカテーテル先端と活栓が、1人でカテーテル先端と皮膚で、同じタイプのCNSが検出され、他の2人はカテーテル先端と活栓や皮膚とでは異なったタイプを示した。B群の4人全員は、カテーテル先端と皮膚で異なったタイプのCNSを示した。

血液培養で、敗血症は24人(49%)にみられた(A群13人;72%、B群11人;35%)。カテーテル関連が15人(63%)であった(A群12人、B群3人)。14人の患者でCNSにより敗血症が起こり、A群で6人、B群で8人であった。このうち9例はカテーテル関連感染であった。経静脈液は汚染した活栓使用患者の約半数で汚染していたが、無菌活栓使用患者では汚染していなかった。以上の調査により、汚染した活栓の細菌は皮膚の細菌よりも中心静脈カテーテル感染やカテーテル関連敗血症を惹起することが証明された。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.4 No.3 p8-10 Autumn 1999

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