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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.3 Autumn 1999

消毒剤と滅菌法におけるCryptosporidium parvum接合子嚢の不活化の検討

Barbee, S. L., Weber, D. J., Sobsey, M. D. and Putala, W. A.
Inactivation of Cryptosporidium parvum oocyst infectivity by disinfection and sterilization processes.
Gastrointest. Endosc., 49(5):605-611,1999.

Cryptosporidium parvumは、健常人では通常の胃腸炎を誘発する原因菌であるが、免疫機能低下患者では重篤化を呈する。感染伝播は環境や医療器具に起因することが考えられることから、消毒剤および滅菌によるC. parvum(105~106/100μL)に対する効果を検討した。消毒剤は過酸化水素(H2O2)、アルカリ・グルタラール、フェノール、4級アンモニウム、次亜塩素酸Na(NaOCl)、エタノール、ポビドンヨード、過酢酸、オルト-フタールアルデヒドを用いた。また、滅菌法にはエチレンオキサイド(450~500mg/L、55~60℃)、過酸化水素によるプラズマ滅菌、オートクレーブ蒸気滅菌(121℃、18分)の三法で行った。その結果、C. parvumは6%H2O2(20℃、20分)においてのみ3log以上の減少を認めたが、0.2%過酢酸(1.8 log)、5.25%NaOCl(10分)を含み、他の消毒剤の効果は無効か、1log以下の変化であった。 一方、三法の滅菌法ではいずれも十分な滅菌効果(>3log)が認められた。内視鏡は消化器疾患の診断と治療に広く用いられているが、時に内視鏡を介する感染伝播が報告されている。胃腸炎、水様下痢、嘔吐、腹痛を惹起するC. parvumに内視鏡は汚染されることがある。通常、内視鏡は2%グルタラールで化学滅菌されるが、今回の結果では、2.4%グルタラール(25℃、45分)ではC. parvumは十分な滅菌は認められなかった(0.3 log)。Vital dye test によるC. parvumは、室温での生存率は今回、30分で2.9 log以上減少を認めたが、木製表面に塗抹された下痢便中のC. parvumは72時間まで生存していた。内視鏡によるC. parvumの交叉感染の可能性は、時間的生存能から考えても少ない。しかし、Cryptosporidiaに感染している医療従事者あるいは医療器具汚染による伝播を防ぐため、内視鏡を扱う人は全てCDCの標準予防策を遵守すべきである。手洗いの励行、口唇クリームの使用、環境用具の洗浄も重視すべきである。

(訳:仲川義人)

Carlisle Vol.4 No.3 p8-10 Autumn 1999

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