Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染起因菌 > MRSA > イングランドとウェールズにおける流行性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌とバンコマイシン耐性腸球菌の伝播力学
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.3 Autumn 1999

イングランドとウェールズにおける流行性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌とバンコマイシン耐性腸球菌の伝播力学

Austin, D. J., Anderson, R. M.
Transmission dynamics of epidemic Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus and vancomycin-resistant enterococci in England and Wales.
J. Infect. Dis., 179: 883-891, 1999.

近年、多剤耐性菌は急速に増えてきており、病院だけでなく、長期ケア施設やコミュニティでもメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci:VRE)が定着したり,感染した患者の交流が盛んになってきている。感染経路は内因性感染が主な原因であるが、患者間の直接接触や、医療従事者の手指を介しての伝播の重要性が指摘されている。そこで、病因間で多剤耐性菌が新たに持ち込まれたり、伝播していくことについて説明する理論的モデルを構築し、シミュレーションを実施した。

イングランドとウェールズの病院における、流行性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(epidemic methicillin-resistant Staphylococcus aureus:EMRSA)とVREによる病院感染アウトブレイクについて、構築した理論モデルを用いて伝播力学的分析を実施した。 アウトブレイク菌株(epidemic strain)であるEMRSA-15とEMRSA-16は、UKの病院においては、通常菌株になりつつあり、EMRSA-15とEMRSA-16、それぞれのcarry-ing capacityは、400病院中、158(95%信頼区間[CI],143-713)病院と116(95%CI,109-123)病院であることが推定された。 VREの流行はまだ初期の段階であり、新たにVREが発生した病院数は指数関数的に増加する〔rate r=0.51(95%CI,0.48-0.54)〕ことが推定された。

(訳:西岡みどり)

Carlisle Vol.4 No.3 p8-10 Autumn 1999

関連サイト