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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.5 No.1・2 Spring/Summer 2000

オランダの介護ケア施設におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌によると申告されたアウトブレイク

Hoebe CJP, Wagenvoort JHT, Bikert-Mooiman MAJ, Leeuwen WJ.
An alleged outbreak of endemic Methicillin-resistant Staphylococcus aureus in a Dutch nursing home.f
Eur. J. Clin. Microbiol Infect. Dis., 18:751-758,1999

オランダでは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病院感染防止のために、非常に厳重なガイドラインが病院で実施されている。そのため、オランダでMRSA感染はほとんど見られない。国のガイドラインでは、スクリーニングと、保菌や保菌が疑われる入院患者に対する厳重な隔離対策が骨子となっている。
近年、MRSAによる病院感染の増加に伴い、介護施設におけるMRSAの問題が増えてきた。介護施設におけるMRSA感染防止ガイドラインには、すべての入所者の手指消毒、医療処置時のガウン、手袋、マスクの着用、汚染器具と部屋の消毒、保菌入所者をケアする介護者のチームケア制、保菌職員の病気休暇などが含まれている。
今回、175名の入所者がいる介護施設で、入所者のMRSA感染が特定された10日後に、9名の職員と20名の入所者が、MRSA保菌と診断され、報告された。以前の調査結果では、オランダの介護施設の保菌率が0.16%(3/1973)であったことを考慮すると、非常に多い発生数であり、営利検査会社に委託した細菌検査の妥当性が疑われた。そこで地方公衆衛生研究所Regional Public Health Laboratoryと国立環境公衆衛生研究所National Institute of Public Health and Environmentの職員が派遣され、分離菌について調査した。その結果、ファージ型の異なるメチシリン感受性黄色ブドウ球菌であることが判明した。
今回の報告はアウトブレイク管理において、診断の確認は、欠かせないステップであることを再認識させた。

(訳:西岡みどり)

Carlisle Vol.5 No.1・2 p8-10 Spring/Summer 2000

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