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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.5 No.3 Autumn 2000

集中治療室における抗菌剤で処置した3管腔カテーテルの評価

Hanley, E.M., Veeder, A., Smith, T., et al.
Evaluation of an antiseptic triple-lumen catheter in an intensive care unit.
Crit. Care Med., 28 (2):366-370,2000.

カテーテル関連血流感染は疾病率、死亡率を増やし、入院期間を延ばし、医療費の増大をもたらす要因となっている。抗生剤や抗菌剤を浸み込ませたカテーテルや銀キレートコラーゲンカフの使用は、これら感染を減少するかも知れない。そこで集中治療室(ICU)において抗菌剤を浸み込ませた3管腔カテーテル(TLC)留置患者のサーベイランスをレトロスペクティブに行い、血流感染(BSI)の減少効果について検討した。
 600床の第3次医療圏のICUで、この2年間にTLCが留置された274症例を対象に抗菌剤TLCと非抗菌剤TLCを4ヵ月毎に使い分けられた。抗菌剤TLCはスルファジアジン銀とクロルヘキシジンを浸み込ませたカテーテルを使用した。抗菌剤TLC群は140人で191カテーテルが使用され、非抗菌剤 TLC群は134人で175カテーテルが用いられた。これら2群間で患者の病態、治療内容、年齢、性別等には差は認められなかった。カテーテル関連BSI は抗菌剤TLC群で47%減少した(p=0.03)。抗菌剤TLC群のBSIは8例に認められ、5.4/1,000カテーテル日で、非抗菌剤TLC群のそれは15例で、11.3/1,000カテーテル日と、抗菌剤TLC群でBSI発症は低比率であった(p=0.06)。
 抗菌剤TLCはBSIに対し、5日から14日までの留置状態で抑制効果が有意に認められた。鎖骨下静脈に比し感染率が高いといわれている内頸静脈へのカテーテル挿入部位において行った今回の抗菌剤TLCで、感染抑制が認められた(p=0.03)ことは意味があると考える。また、BSI患者の平均入院日数(52.1日)は非感染患者のそれ(28日)に比べ有意に長かった(p<0.01)ことからも、抗菌剤TLCの使用による感染率の低下は入院期間の短縮に寄与する。今後もBSIを抑制するより有効なカテーテル関連器具の開発が望まれる。

(訳:仲川義人)

Carlisle Vol.5 No.3 p8-10 Autumn 2000

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