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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.5 No.3 Autumn 2000

臓器移植患者のLegionella micdadei肺炎の爆発的流行:評価、分子疫学と感染制御

Knirsch, C. A., Jakob, K., Schoonmaker, D., et al.
An Outbreak of Legionella micdadei Pneumonia in Transplant Patients:Evaluation, Molecular Epidemiology, and Control.
A. J. Medicine, 108:290-295,2000.

Legionella speciesは院内感染肺炎の主な原因である。Legionella urine antigen testでLegionella pneumophilia serogroup1を検出できるが、他のLegionella pneumophilia serogroupsやLegionella speciesは検出できず、培養が必要である。Legionellaの培養は特殊な培地と熟練した技術が必要である。
 ニューヨーク州のColumbia-Presbyterianメディカル・センターで1995年6月に2名の腎移植の肺炎患者からLegionella micdadeiが分離されLegionella肺炎の爆発的流行の可能性が示唆された。
 本調査では、1995年1月から6月までの院内感染肺炎患者のカルテを調査し、うち38名の腎臓・心臓移植患者で原因菌が不明な肺炎を対象にレトロスペクティブなLegionella micdadei血清学的検査を実施した。またプロスペクティブな水回りの環境調査と検体のLegionella培養の検査も実施した。
 培養または血清学的試験のいずれかにより、38例中12例をLegionella micdadei肺炎と確認した。環境調査では、病室のシャワーや洗面所、製氷器や貯水槽など院内の数カ所から環境サンプルとして集めた湯と水を調査し、院内で使用する湯が感染源と分かった。
 スーパー加熱(71℃以上加熱)による熱殺菌と15分以上の湯のフラッシング、その後の水の塩素処理により原因菌は除去できたが、1996年10月3週間塩素処理の機能が悪く、湯からLegionellaが分離され5件のLegionella micdadei肺炎が発生した。 病院の給湯源から分離したLegionella micdadeiと培養陽性の最初の3例および16ヵ月後に再発した2例より分離したLegionella micdadeiとは、パルスフィールドゲル電気泳動法によりDNAバンドパターンが一致することが分かった。
 臓器移植患者およびほかの免疫抑制患者がいる病院では、Legionella感染の爆発的流行は環境に感染源の可能性がある事に注意する。最初のスクリーニングは、Legionella urine antigen testでよいが、爆発的な流行がみられるときは、続いて特別なLegionella培養が必要である。

(訳:中田栄子)

Carlisle Vol.5 No.3 p8-10 Autumn 2000

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