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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.3 Autumn 2002

新生児集中治療室でSerratia marcescensによる3回連続したアウトブレイク

Fleisch, F., Zimmermann-Baer, U., Zbinden, R., et al.
Three Consecutive Outbreaks of Serratia marcescens in a Neonatal Intensive Care Unit.
Clin. Infect. Dis., 34:767-773, 2002.

Serratia marcescens(S. m)は重大な病院感染の原因菌として、特に新生児集中治療室(NICU)では、新生児の重症感染罹患率と死亡率に深く関わっている。今回、第三次医療チューリッヒ大学病院のNICUから同小児病院に転院した患児のS. m感染によるアウトブレイクについて報告する。

1998年4月~1999年5月の間に4名の患児にS. m感染が発生した。PFGE法によるDNAタイピングでは、同一株を示した(A株)。1998年1月~1999年5月の間にNICUに入院した新生児のカルテを調査したところ、19名の28臨床材料からS. mが分離されていた。1999年7月に調べた新生児の便への保菌は、20名中11名(55%)であった。

環境調査ではテオフィリン水溶液の瓶、ミルク調製キッチンの流し場などからS. mが分離された。これら分離されたS. mは、4名の新生児からのS. mと同一パターンであった。感染対策がとられたが、1999年11月にさらに4名が保菌者となった。

1999年12月~2000年1月に調べた便と胃吸引サンプルから51名中18名(35%)が保菌者と判明し、その18名中17名(94%)がNICUへ入院していた。この分離菌パターンはA型と異なりB株と名付けた。ミルクキッチンが発生原因と考えられ、2000年6月にミルクサンプルを培養した結果、 19中6サンプル(31.6 %)にS. mが見つかり、そのパターンからC株と名付けた。

対策としてミルク瓶の消毒は中央滅菌室へ委ねられ、アルコールによる手指消毒の教育がなされた。2000年10月に調べた新生児19名からS. mは検出されず、2001年1月に調べた10名も陰性であった。今回の異なる時期に、3回連続して生じたアウトブレイクは、遺伝子学的に関連性のない異なったタイプのS. mであり、感染は汚染したミルクが原因であることが判明した。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.7 No.3 p8-10 Autumn 2002

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