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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.3 Autumn 2002

Clostridium difficileによる院内感染下痢に付随する費用と致死率

Kyne, L., Hamel, M. B., Polavaram, R. and Kelly, C. P.
Health care costs and mortality associated with nosocomial diarrhea due to Clostridium difficile.
Clin. Infect. Dis., 34:346-353, 2002.

Clostridium difficile(C. difficile)は抗生物質に関連した下痢や大腸炎の主な起因菌である。C. difficile感染症発症率は、広域スペクトラムの抗生物質使用拡大の結果、世界的に増加している。ところで、C. difficile感染に帰する費用や入院期間、致死率は報告者によって大きく異なっている。そこで、1998年1月5日から1998年5月22日にかけて、感染症のため抗生物質の投与を必要とした271名の入院患者を対象に、プロスペクティブコホート調査を行った。

271名のうち7名を除外例とし、残り264名のうち、40名の患者(15%)が院内感染性C. difficile下痢を発症した。これらの患者は、併発していない患者より$3669、すなわち54 %高い費用を支払っていた。また、C. difficile下痢発症患者では、併発していない患者より、入院日数は3.6日、すなわち55%長かった。また、入院期間もC. difficile下痢の危険因子であるとの報告があるが、今回の調査では、C. difficile下痢発症前の入院期間は、非発症患者の全入院期間とほぼ同じであった。

また、入院後3ヵ月の致死率は、C. difficile下痢患者で48%、下痢を呈さなかった患者で27%であったが、3ヵ月の致死率および一年間生存率は、年齢、併病率、疾患の重篤度を統計的に処理すると、C. difficile下痢とは関連しなかった。

米国において、C. difficile下痢の治療費は1年間に1.1兆ドル以上と見積もられた。本調査より、院内感染C. difficile下痢の防御により経費削減の可能性が示唆され、この感染管理にさらなる方策を用いることの正当性が示唆された。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.7 No.3 p8-10 Autumn 2002

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