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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.4 Winter 2003

血管カテーテル挿入部位管理におけるクロルヘキシジン液とポビドンヨード液の比較:メタアナリシス

Chaiyakunapruk, N., Veenstra, D. L., Lipsky, B. A., et al.
WChlorhexidine Compared with Povidone-Iodine Solution for Vascular Catheter-Site Care:A Meta-Analysis.
Ann. Intern. Med., 136:792-801, 2002.

カテーテル、特に中心静脈カテーテル関連の血流感染を防止するためグルコン酸クロルヘキシジン液(CHG)とポビドンヨード液(PVP-I)の皮膚消毒効果を評価した。調査はコンピュータ検索により血管カテーテル挿入部の管理についてCHGとPVP-Iを比較した研究についてメタ解析した。検索は、 Index Medicus(1960~1965)、MEDLINE(1966~2001)、CINAHL(1982~2001)、博士論文要旨(1861~2001)、国際薬学要旨(1970~2001)、EMBASE、Lexis-Nexus、科学ウエーブ、多国語で発行された Cochrane図書データーベースで行った。

メタ解析の研究要素は、血管カテーテル留置部管理でCHG、PVP-I関連製剤が無作為的に比較されていること、カテーテル付着菌(CSC)発生率あるいはカテーテル関連血流感染(CR-BSI)を十分なデータで危険率を求め報告している論文であることとした。検索により302編の論文を抽出し、さらに判定基準に適合した研究は8編であった。この8編の研究では4,143本のカテーテル(中心静脈:1,493本、末梢静脈:1,361本、末梢動脈:704 本、その他)が使用された。

CHGとPVP-Iの使用はカテーテル挿入部位に有意差はなかった。全ての研究はカテーテル部と血液培養の両面から同一細菌が回収されている場合にCR- BSIと判定した。CHGの全血管カテーテルに対するCSC危険率はPVP-Iとの比較で、0.49(95%CI:0.31~0.71)、同様にCR- BSIの危険率は0.49(95%CI:0.28~0.88)で、CHGを使用した患者で有意にリスクの減少が認められた。8編中1編がCHGでCSCのリスクが大きいことを示していたが、これはカテーテル留置期間がPVP-Iに比し長いことに起因していた(CHG:平均9.9日、PVP-I:平均5.2 日)。  この1編(Humer, et al, 2000)を除いた研究のCR-BSI危険率はいずれも類似していた(0.45[CI:0.23~0.85])。すなわちCHGはCR-BSIが11例の感染防止が可能となる。実単価は安いがCHGはPVP-Iの約2倍のコストであり、中心静脈カテーテルによるCR-BSIの管理にこれまで使用されなかった。しかし、本調査により、CHGはPVP-Iに比較し短期間のカテーテルを必要とする入院患者の50%でCR-BSIのリスクを減少でき、経済効果も期待できることが明らかとなった。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.7 No.4 p8-11 Winter 2003

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