Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染起因菌 > その他の微生物 > 予防接種をしたにもかかわらず ―デイケアセンターにおける水痘の発生―
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.8 No.2 Summer 2003

予防接種をしたにもかかわらず―デイケアセンターにおける水痘の発生―

Galil, K., Lee, B., Strine, T., et al.
Outbreak of varicella at a day-care center despite vaccination.
The New England Journal of Medicine, 347:1909-1915, 2002.

1995年に水痘ワクチンが許可されて以来、水痘ワクチンの効果について7つの研究が報告され、その中で重症の水痘に対して71~100%、また、中等度(中位)および重度な(ひどい)疾患に対しては95~100%の割合で、予防接種が有効であることが報告されている。われわれはニューハンプシャー州の小集団中のデイケアセンターに通っていたワクチン接種率の高い子供達における水痘の発生状況を研究した。

標準化したアンケート法を使用し、両親および施設従事者から子供達の医学的および予防接種歴についての情報を収集した。今回の検討では、水痘の発生の間、連続的にデイケアセンターに登録されていた子供達および1週間以上デイケアセンターに通っている子供達に対して、ワクチンの効果およびワクチン接種が無効になる危険因子の分析は実施しなかった。また、水痘の流行が第二ビルディング内で証明されなかったので、発生の中心である第一ビルディング内でケアされていた子供達についても同様に分析を実施しなかった。

2000年12月1日より2001年1月11日の間で、88人の子供達のうち25人(28.4%)に水痘が発生した。3年前からワクチンを接種していた健康な子供、および過去にワクチン接種歴のなかったクラスメートの50%以上が感染するモデルケースが発生した。ワクチンの効果の割合は重症の疾患で44%(95%信頼限界は6.9~66.3%)であり、中等度および重度な疾患では86%(95%信頼限界は 38.7~96.8%)であった。水痘の発生以前3年以上ワクチン接種を受けた子供達は、ごく最近にワクチン接種を受けていた子供達に比べてワクチン接種が無効となる危険因子がより大きくなった(相対危険度は2.6[95%信頼限界は1.3~5.3])。

ワクチン接種は中等度および重度な疾患に対しては良好な防御法になるけれども、全般的にはワクチン接種は水痘に対する防御効果が弱いと判断された。ワクチンを接種してから長い間隔があくことにより、ワクチン接種が無効となる確率が増大した。ワクチンを接種した健康な人々における感染の発生は、ワクチン接種をしていない人々における水痘の発生と同程度の感染の可能性がある。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.8 No.2 p8-11 Summer 2003

関連サイト